輝いています、ときの人 #157 チャリティーフットサルイベントKL(Kick the Landmine)CUPを開催 KLCUP 代表 深田美咲(ふかだ・みさき)さん(国際関係学部2回生)、
副代表 九折勇也(くおり・ゆうや)さん(国際関係学部2回生)
「私たちに出来ること」ゼロから作り上げたチャリティーイベント
2009年9月16日に大阪市の舞洲アリーナで
チャリティーフットサルイベントKL(Kick the Landmine)CUPを開催した深田さんと九折さん。
当日は、24チーム、約300名の方がイベントに参加した。
また、このイベントの参加費は、カンボジアの「Handicap International」という
地雷被害者に義足支援を行うNGOに寄付される。
今回は、KLCUP代表の深田さんと副代表の九折さんに
このイベントを通して学んだことやカンボジアへ行って感じたことなどを伺った。
(2009年12月18日掲載)
Q

チャリティーイベント開催までの経緯や、きっかけについて教えて下さい。

深田

もともと地雷について勉強していたということもあったのですが、2009年の春休みに私たち2人でカンボジアを訪れた時に、現地で地雷の被害者に義足支援を行う「Handicap International」というNGOを訪れたことが大きなきっかけです。現地に行くまでは、カンボジアに対して「危ない国、貧しい国」というイメージを抱いていましたが、実際に行ってみるとカンボジアの人々はとても温かく、自分の持っていたイメージとはかけ離れた素敵な国でした。

 

「Handicap International」では、地雷で足を失った人達に無料で義足を提供するだけでなく、被害者の食費や交通費も無償で提供しています。しかし、NGOは寄付で運営されているため、その財政は不安定です。私は少しでもこの組織の力になりたい、私たちに何かできることはないかという思いを胸に、日本へ帰国しました。そして帰国後、私たちはNGOへの支援の方法を考え、寄付という形ではなく、参加してもらうことで地雷やカンボジアについて知ってもらえるような参加型のイベントを作り上げたいと思いました。「フットサル」を選んだのは、大学生に馴染みがあるスポーツだと思ったからです。国際協力に興味のない学生にも「伝える」きっかけを作れると思い、チャリティーフットサルイベント「KLCUP」の開催を決めました。

 

 

 

Q

イベントを企画、運営する上で苦労などはありましたか?

深田

私はイベントのリーダーでしたが、様々な困難にぶつかり時には「なぜイベントをやっているのか」が分からなくなることがありました。ですが、今年8月に再びカンボジアへ行き、現地のNGOの方に「日本でチャリティーイベントを企画している」と伝えると、みんな心から喜んでくれました。そこで、「私たちの行うイベントは必ずカンボジアの人々の役に立つ」ということを確信しました。帰国後、再びメンバーとともにイベントに向けての準備を再開しました。その時にはもう不安はありませんでしたね。私は、リーダーとしてメンバーみんなの意見を大事にし、まとめる。そして、一人一人の良さをいかに引き出すかを意識するようにしました。また、一緒に運営するスタッフにもカンボジアの現状について詳しく知ってもらいたいと思い、勉強会なども企画しました。

九折

私たちはまず、イベントを一緒に作り上げる仲間を探しました。最初は身近な友達を誘って実行委員を作ったのですが、途中で辞めてしまうメンバーも多く、7名いたメンバーが4名になったこともありました。その時は辛く、「辞めたい」と思ったこともありましたが、現地のNGOが存続出来なくなると困る人がいるということを考え、「最後までやりきろう」と思うようになりました。それから、友達だけでなく自分たちのやりたいこと、趣旨に同意してくれるメンバーを立命館大学だけでなく、他大学からも集めるようにしました。

 

また、資金集めが大変でした。私たちは、サークル団体でもなければ、NGOでもないため、協賛してくれる企業を探すのにも苦労しました。信じてもらえなかったり、冷たい目で見られたりもしましたね。ですが、多くの方に参加頂いて、無事にイベントが終了した時は、辛かったことを全部忘れました。今回の収益金はメンバーがこの12月にカンボジアへ行き、手渡しする予定です。

Q

イベントを通して学んだこと、今後の目標は何ですか?

深田

KLCUP開催までは、いろいろと苦労もありましたが、終わった時は達成感でいっぱいになりました。来場者も楽しんでくれていましたし、イベントに参加したことで参加者の意識も変わったと思います。

 

私は、これまで一つのことを続けるということが出来ませんでした。いつもすぐに諦めていましたが、この活動を通して「続けることの大切さ」を学びました。これからもより多くの方に世界で起こっているいろんなことを知ってもらうきっかけを作るために、この活動を続けて行きたいです。あとは、写真を撮るのが好きなので、自分の撮ったカンボジアの写真で、現状を伝えていきたいと思っています。

九折

これからも、より多くの学生に地雷やカンボジアについて伝えたいですね。KLCUPは2009年3月16日にイベントを予定しています。今後も年2回実施することを目標にしています。私はこれまでイベントを企画した経験もなく、すべてゼロからのスタートでした。開催までに悔しい思いをすることもありましたが、このイベントを通して、うまくいかないことや苦手なことに挑戦することで自分自身の「得意」が増えるということを学びました。何かをやりたいけど、何かと理由をつけて挑戦することを辞めてしまう人もいると思います。自分の可能性を信じて、やってみたいなと思ったことにチャレンジしてみることが大切だと思います。

取材・文/土山由衣(法学部3回生)
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