インターンシップの活動は、主にデスクワークが中心でした。日本人向けの中東政治学習プログラムの企画、広報、運営に携わっていました。初めは現地のスタッフとの仕事のスタイルの相違や言葉の壁に戸惑うことも多く、職場との往復以外は、部屋に引きこもっていることも多かったです。休日も外に出ずに悩んでいた事もありましたが、3ヶ月経った頃に現地のスタッフの国民性やスタイルの違いを理解して受け入れられるようになりました。それから徐々に職場の仲間ともうまくコミュニケーションが取れるようになり、仕事にも前向きに取り組むようになりました。
異国で活動するにあたって、日本の常識のみで考えるのではなく、その国の文化、スタイルを理解しようと努め、"違い"を受け入れ尊重することは、とても大切なことだと学びました。これをきっかけに、職場の同僚だけでなくイスラエルに在住、または留学している日本人の方や、日本に興味を持っている現地の方と交流する機会を積極的に持とうとするようになりました。この頃から、友人の輪がどんどん広がり、滞在生活が一気に有意義なものになっていきました。この時に改めて自ら積極的に行動することの大切さを実感しましたね。
また、6ヶ月の滞在の中で、パレスチナ人、ユダヤ人間の紛争を目の当たりにし、最も強く感じたことは、「対話の重要さ」です。現地では、数年前にあったような緊張状態はある程度緩和され、日本とほぼ変わらない日常生活が営まれています(パレスチナ人自治区の状況は別)が、両者の溝は深いままです。そんな中で、私の友人の一人がパレスチナ人と一緒に仕事をしたときの話しがとても印象的でした。彼女は、それまで一度もパレスチナ人と直接話しをしたことが無かったのですが、仕事を通して話をするうちに、それまでパレスチナ人に対して抱いていた負のイメージが変わったといいます。生活が安定するにつれて、紛争の事実から目を背けてしまう動きも見られ、両者の距離は拡大するばかりといった状況下で、和平への第一歩としてやはり重要なのは直接会って話をしてみること、「対話」ではないかと感じました。 |