11月にオーダーメイドシステムが完成し、和菓子普及の機会を探しました。カレンダーを見ながら色々と考える中で「成人式」に着目。メンバーのほとんどが今年、成人式を迎えるということもありましたし、実は、和菓子には「贈る」という意味合いの文化があります。私はすでに成人を迎えたのですが、その時は祝ってもらうばかりで、感謝の気持ちを伝えることができませんでした。そこで、感性や情緒を表現する和菓子は、新成人の「感謝の気持ち」を伝えることができるのではと考え、成人式にあわせた商品企画を行いました。
開発にあたって、職人の村上さんに「成人式がどういうものか考えてみたら」とアドバイスをいただきました。私たちにとって成人式は一種のお祭りですが、昔は元服という厳粛な儀式だったそうです。また村上さんは「和菓子には、よいものとして残されてきた『型』がある。『型』を破ることは奇をてらうこと。和菓子を知る『心ある人』にも理解されるお菓子を作りたい』ともおっしゃっていました。
特に「色合い」については、私たちの考えたデザインと職人さんとの間にギャップがあり、すり合わせるのに苦労しました。ですがその一方で、和菓子を若い人にも食べてもらわないと、今後衰退していくという認識があったことで、お互いに分かり合えることができたと思います。
できあがった商品「晴れ姿」は、男女の晴れ着やほほえみ、寒さの中での照れを表しています。売れ行きについては、1月10日の時点で目標であった50個を販売することができました。 |