大学生のうちに「何かひとつおもしろくて、大きな事をしたい」という思いがありました。全力で取り組める活動は何だろうかと模索していた時、友人から「京都の学生向けフリーマガジンを作ってみないか」というアイデアを持ちかけられたことが「CREW」を作り始めたきっかけです。
市場調査を行った結果、京都には学生向けのフリーメディアが少なく、しかも学生の力だけで作成されているものはありませんでした。そこで、学生主体による、学生が知りたいと思う情報を発信するフリーマガジンを作れば、京都で1番の学生向けフリーマガジンになると思い、「CREW」を発行しました。
創刊当初「CREW」は、ファッションやお店紹介など、学生のライフスタイルと密接に関わり、注目度の高い情報を中心に扱っていました。しかしそれでは個性がないと感じ、2007年の夏号からはコンセプトを「夢」に変更して、京都の企業特集や、就職情報などの企画を立て、学生が将来像を描くきっかけとなるような誌面づくりに取り組んでいます。
私たちが起業した、京都フリーマガジン制作団体「KYO-YOU」は、現在、立命館の学生だけでなく、他大学の学生などもあわせて約30人で活動しています。この団体はメンバーである学生たちが企画から発行まで実際に学ぶ場でもあるので、営業・企画・取材・原稿・誌面づくり・配布まで、特に役割分担を決めず、一通り経験するようにしています。最近ではメンバーからさまざまな企画が提案されるようになりましたし、比較的経験の浅いメンバーにも積極的に「CREW」全体のことをまかせられるようになりました。
活動拠点は京都商工会議所に置き、立命館大学の「起業家支援奨励金」も組織の運用資金として活用しました。大学からこのような支援を受けられたことは、起業実現への大きなサポートでした。起業家支援奨励金制度に衣笠キャンパスから応募したのは私たちが初めてと聞いたのですが、興味のある方は是非積極的に参加してほしいと思います。
先日、東京で開催されたフリーペーパーのコンテストに参加して、これからの「CREW」には「夢」を表現しながら、「京都らしさ」や「京都の良さ」も表現する必要があると感じました。また、私が「CREW」を作り始めた時から意識していたテーマとして「本棚に残したくなるフリーマガジンを作る」というものがあります。本来読み終われば捨てられることが多いフリーマガジンですが、「CREW」は手にした学生が大学生活の思い出としてずっと手元に残しておいてもらえるような、そんなフリーマガジンにしていきたいです。
「CREW」は学生自身の手で作られる事に意味があります。私が一生学生でいることは不可能なので、次の世代へ引き継ぎ、永続的に残していきたいと考えています。
私個人としてはまだまだやりたい事や考えている事があるので、卒業までにもうひとつぐらい大きな事に挑戦したいです。
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