中学2年生から高校2年生の夏まで、父の仕事の関係でインドネシアのバリ島に居住していました。現地のインターナショナルスクールで学び、高校時代にはNPOの活動にも参加して募金活動を行うなど積極的に過ごしていました。バリ島は人気観光地として世界各国の人々が訪れ、平和な楽園というイメージがありますが、一方で貧富の格差が激しく、不十分な医療施設や教育環境など、未だに整備されていないインフラの問題が多々ある土地でした。
そのような経験を踏まえ、将来は漠然と国際的な仕事に就きたいという思いがあり、国際関係学部への進学を決めました。3回生の夏にはJICAのインターンシップに1ヶ月参加し、途上国支援についての業務を体験。バリ島のテロ発生以来、国際関係や発展途上国の支援について深く理解したいと考えていた私にとって、このインターンシップは貴重な体験でした。また、インターンシップをしたことにより、学生と社会人との違いを垣間見ることもでき、視野が広がったと思います。
この経験を踏まえ、自らの就職活動において3つの軸を決めました。一つ目は、国際性のある企業であること。二つ目は、主体的に行動でき、社会へ影響を及ぼす業務に携われること。最後に、発展途上国にビジネスを通して関っていけることというものでした。この中でも特に、発展途上国への関わりという点にこだわり、その切り口で就職活動をしていたため、当初より志望業界を総合商社と大手メーカーに絞っていました。今振り返ると、早期から業種を絞りすぎてしまったかなと、若干後悔しています。
就職活動において、最も苦労したことは「自己分析」でした。自分を知るということが、こんなにも難しいことだとは思いもせず、「自分が何をしたいのか?働く意味とは何か?」を真剣に考えた日々でした。そんなとき支えになったのは、キャリアオフィスの職員の方やJAの方、企業のリクルーターの方でした。特にキャリアオフィスでは、悩みに対して真剣に話を聞いてくれ、自分自身で答えを出せるように方向性を導いてもらいました。私にとって、苦しいときに気持ちを楽にしてくれる、まさにカウンセラーのような存在でした。そのような苦労を重ねた結果、第一志望の三菱商事株式会社に内定をいただけたときには、職員の方も一緒に喜んでくれたのが印象に残っています。
就職活動終了後は、JAとして活動をしていました。その際、就職活動をしている後輩によくアドバイスしていたことは、いかに面接に合格するかを分析するのではなく、まずは自分と向き合い、自分のやりたいこと、興味のあることは何なのかを見つけ出すということでした。これから就職活動をするみなさんにも、自分のやりたいことをしっかりと見つけ出し、そしてその夢をあきらめず、実現へ向けて取り組んでいってほしいと思います。
|