高校生のときに留学していたこともあって、将来は外交官のような国際社会で活躍できる職業に就きたいという、漠然としたイメージを持っていました。この「国際社会で活躍する人材養成プログラム」は、そんな私にとって、自分のビジョンがより明確となり、実りあるプログラムになるのではないかと思い、受講を決めました。
このプログラムでは、2名の客員教授によって、国際社会で働くうえで必要な様々なスキルをゼミ形式で学ぶ授業を行っています。その他にも、英語力強化の授業、国際支援の現場で活動している外部講師の方々の講義が含まれているのが特徴です。岡本行夫先生(国際問題アドバイザー・岡本アソシエイツ代表)の授業では、国際社会で起こっているタイムリーな問題について、学生間だけでなく、先生と学生の間でも議論します。岡本先生からは、常に問題を多角的な視野でみる姿勢、そして日本という国を相対的にみることが重要だということを教わりました。宮家邦彦先生(国際情勢アナリスト・AOI外交政策研究所代表)が担当する授業では、GSG(グローバル・シュミレーション・ゲーミング)を用いて、国際関係における国家間関係や外交、そして問題への政策アプローチを体系的に学びます。学生らは、行為主体のアクター(国やNGO団体、情報メディア機関等)に分かれ、問題テーマに沿って実際に交渉したり、国際会議を開いたりするなどして、問題の解決策を模索します。
そして、2008年8月にはパレスチナ・イスラエル研修に参加しました。それに向けて、日本での事前研修では、中東地域の紛争と平和問題を専門に研究されている立命館大学や他大学の先生方、外交官や研究者の方をお招きし、歴史背景から現在の問題までの講義を受けました。この研修に参加しようと思ったのは、この問題の複雑性を文献から読み取るだけではなく、実際に自分で現地に赴き、肌で体感する必要性を感じたからです。また、「現代の紛争や問題の元をたどってみると、中東問題がその根底にある」という岡本先生の言葉にも大きな刺激を受けて、現地に住む人々の現状と、国際的な支援活動のシステムを、自分の目で確かめたいという気持ちも参加に踏み切ったきっかけでしたね。
現地の研修は1ヶ月程度の滞在で、3つのタームにわたって行われました。第1タームは、イスラエルのガリリカレッジという現地の私立大学で、両国の立場の講師から中東地域の歴史、政治情勢、現在の紛争問題についての講義を受講。第2タームには、国際協力機構(JICA)イスラエル事務所、イスラエルの日本大使館やイスラエルの外務省を訪問し、現地職員の方々からの貴重な話を伺うことができました。そして、イスラエル、パレスチナ両国の学生たちと中東問題について意見交換を行い、そこから両方の立場の学生が抱えるそれぞれの思いに、多くのことを考えさせられました。
最後に、パレスチナ自治区のジェリコという町に移動し、各グループに分かれ、フィールドワークとプレゼンテーションを実施。私のグループでは、パレスチナの水資源というテーマを設定し、日本の淀川で行われている、真珠を利用した水質改善策をヒントに解決策を提示しました。JICA職員の方々や、ジェリコ市の関係者、市民の方々にも興味深くプレゼンを聞いていただけたので、非常にやりがいを感じることができましたね。
このプログラムを受講したことは、人間として成長できる機会になったと思います。国際社会が抱えるあらゆる問題を考えることで身についたのは、物事を多角的かつ幅広い視点で見るということです。また、実際に行動をおこしてみることで、それまで見えていなかったものが見えたり、新しい発見があります。現地に足を運ぶことの大切さを実感することができました。そして何よりも、日々の「行動力」が肝心であるということが、私にとって大きな気づきでした。このプログラムを通じて、実に素晴らしい人々や仲間に出会い、進路の選択の幅も広がりました。将来は、国際貢献や支援、援助に関連した業務に携われる民間の企業に入り、国際社会に貢献していきたいと考えています。
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