大学生活を思い出すと、勉強より「鳥人間コンテスト」(以下、鳥人間)一色だったように思います。元々、モノ作りに興味があり、1回生から所属していた飛行機研究会では、制作などに携わりました。鳥人間は8月の大会に向け、1年間かけて準備に追われます。大会が終わると同時に、次の大会に使う飛行機の設計・製作、テストフライを何度も行い、大会の直前まで機体の手直しや修理しながら大会に臨みます。
2、3回生の時にはパイロットも経験しました。その中でも一番苦労したのが減量でした。「体重50kg以下」という条件の中、ある一定から体重が減らなくなり、大変苦労しました。製作とパイロットを両立するために、効率よく物事を進めることの大切さを学びました。このことは現在の職場でも常に意識して仕事にあたっています。そういう面では過去の経験が今の仕事にも生きているのだと思います。予算が少ない中で、メンバーと大会に向けて話をしたり、飛行機研究会の方向性を巡って意見が食い違うこともありましたが、全体を思い返すと、とても楽しかったのを覚えています。また、目的を共有した友人の存在も大きく、大学を卒業した今でも交流があり、みんなで集まったりしています。
その後、3回生で大学院進学を決意。大学院では、損傷検知に用いるためのセンサーの研究に取り組みました、また、TAをしたり、学生の研究の相談に乗ったりもしていました。モノ作りに関わり続けたいという想いで自動車業界を志望しました。私の場合、面接でも興味をもたれたのは、学生時代に打ち込んでいた「鳥人間について」です。今の会社にも、そこを「面白い」と評価されました。
社会では、「分かりやすく説明・まとめる能力」が求められます。学生の皆さんも、ぜひこの力を身につけてほしいですね。また相手が求めていることを察知する力も大切。相手の立場に立って物事を考えることが大事です。また、学生の頃よりも考える事も多くなり、「目的は何なのか」「どのようにすれば効率よく仕事を回せるのか」を常に頭に置いて仕事をしています。
今となっては、「もう少し別の事にも取り組んでおけば良かったかな」と思う時もありますが、何かに打ち込む素晴らしさを、皆さんにも知ってほしいと思います。1つの事に打ち込む事は強みになります。深い経験をしている分、その分野では周りの人には負けないし、経験して役に立たないことはないと思います。みなさんも学生時代は色んな事に参加し、刺激し合い自分の成長に役立ててほしいですね。
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