電気電子工学科HP 電気電子工学科

21世紀を担う最先端の半導体エレクトロニクス研究

光電子物性デバイス研究室

担当教員/荒木 努

ガリウムナイトライドという新しい半導体の登場によって、青色発光ダイオード、白色発光ダイオードやブルーレイディスクなどが実現され、私達の生活は大きく変化してきました。さらにこの半導体の持つ潜在能力を全て引き出すことができれば、エネルギー、環境、健康・医療など私達が21世紀に抱える重要な課題を解決できる新しい光・電子デバイスを作ることができます。例えば、長寿命で消費電力の少ない照明光源、格段に変換効率の高い太陽電池、電気自動車技術を支える高効率インバーター、小型で強力な殺菌用光源などが期待できます。私達の研究室では、これら21世紀を担う半導体エレクトロニクスを実現するため、半導体材料の作製から物性評価、デバイス作製にわたる世界最先端の研究を進めています。海外の大学との共同研究も積極的に実施しています。

原子のレベルで制御しながら半導体材料を作製する分子線エピタキシー装置

単電子デバイスの動作に関する理論研究

電子デバイス研究室

担当教員/今井 茂

PCの内部で高度な情報処理の機能を実現している集積回路は、サイズが数十nm程度であるトランジスタから形成されており、これらの極微細トランジスタが情報の担い手である電荷の動きを制御しています。単電子トランジスタをはじめとする単電子デバイスは、最小の電荷を有する電子同士がお互いに反発しあう性質を利用して、電子の動きを1個ずつ制御する究極のデバイスです。単電子デバイスは、電子1個1個を情報の担い手とすることが可能で、飛躍的に集積回路の集積度を高め、また消費電力を低減することができると期待されています。本研究室では、作製が比較的容易な共通ゲート構造を有するマルチドット単電子デバイスの動作を探究する理論的研究を行っています。

共通ゲート単電子デバイスの構造(左上)とその動作を示す安定領域図(左下)

ナノエレクトロニクス技術とそのバイオ応用

ナノバイオエレクトロニクス研究室

担当教員/宇野 重康

「ナノテクノロジー」と「バイオテクノロジー」。これらは20世紀に個別に発展してきましたが、21世紀にはこれらが融合して今までにない全く新しい技術に生まれ変わろうとしています。私達は電子工学の専門知識を駆使して、この新しい技術の創出に貢献しています。具体的には、(1)ナノテクノロジーによって作製される極微細デバイスを研究するナノエレクトロニクス研究、(2)そのようなデバイスによって生体内の物質や生体の状態を計測するバイオセンシング研究、などを行っています。日本国内はもちろん、米国・ヨーロッパ・アジア各国の研究者と共創し競争する国際的な環境で研究を行っています。また、様々な異分野の専門家との共同研究となるため、物理だけでなく化学・生物学・医学など幅広い世界と繋がることができます。

生体分子センシング用CMOS集積回路チップ

電力供給システムへのパワーエレクトロニクス応用

パワーシステム研究室

担当教員/柿ヶ野 浩明

電気エネルギーは私達の生活に不可欠となっています。今後も、電気自動車や電子書籍などあらゆる分野での電化が見込まれています。この電気エネルギーを有効利用するためには、発電・貯蔵・供給・利用の全てに関わる「パワーエレクトロニクス」が重要な役割を担っています。パワーエレクトロニクスとは、電圧・周波数・電流などを必要に応じて効率よく変換する技術です。
当研究室では、電力供給システムの安定化・高品質化・高効率化に貢献するパワーエレクトロニクス機器の研究を行っています。
例として、直流給配電システムとその構成機器に関する研究や、次世代パワー半導体デバイスを活用した変換器に関する研究などを行っています。 研究を通じて回路設計やプログラミングなどの技術も習得でき、社会に出てから即戦力として活躍することができます。

次世代パワー半導体(SiC MOSFET)を用いた電力変換器

環境計測用光デバイスとネットワーク技術

光電子デバイス・ネットワーク研究室

担当教員/笠原 健一

環境、エネルギーは地球的な規模の問題であり、水素を使った燃料電池やバイオマス、地球温暖化防止のための技術開発が進められています。このような中には各種のガスが登場しますが、それらを非接触かつ高感度検出できる光を使ったアクティブ型画像監視技術はセキュリティーの点で今後、重要となります。研究ではそれに向けての中赤外光デバイスの研究を行っています。中赤外は光通信で使用される1.5ミクロンよりも長い波長域でこれまで有効な光源がありませんでしたが、近年、量子カスケード・レーザと呼ばれる半導体光源が登場してきております。当研究室ではその高性能化に向けた研究を進めています。得られた環境情報はまた必要な箇所に素早く送り届ける必要があります。そのために、半導体レーザや高感度光検出器、光をファイバ内で直接増幅技術や光回路の研究も進めています。

量子カスケード・レーザのスペクトル幅を測定。これによって高感度なガス・センシングが可能となります。

インテリジェントパワーエレクトロニクス

パワーエレクトロニクス研究室

担当教員/川畑 良尚

パワーエレクトロニクスは、各種工業、電力、太陽発電や燃料電池などの新エネ、電気自動車や電車はもとより、エアコン、洗濯機、蛍光灯などの基幹技術として、生活に密着した欠くことのできないものになっています。また、パワーエレクトロニクスは、電気エネルギーをうまく変換・制御して効率よく利用する技術であることから、エネルギー環境問題に貢献でき、社会に出てからもやりがいのあるビジネスに就くことができます。具体的には、次の活動を中心に行います。(1)マイコンのIO周辺回路やドライブ回路など電子回路の製作試験を行い、電子回路の基礎を養う。(2)DSPやRISCマイコンでインバータや電動機を制御するために、C言語で制御ソフトウエアを作成すると同時に、リアルタイム制御の基礎を養う。(3)著名なソフトであるMATLABやSIMULINKを使い、システムを構築するとともに制御の基礎を養う。

インバータや電動機など数kWのモデルをマイコン制御で動かし、実験を行いながら研究を通じて実社会で活用できる技術を身につけるようにします。

マイクロ波・ミリ波工学、電磁波応用、電磁環境工学

「次世代ワイヤレス通信に関する研究」

担当教員/北澤 敏秀

当研究室では、次世代ワイヤレス通信の基盤となるマイクロ波・ミリ波集積回路ならびにアンテナに関する研究を行っています。電磁界シミュレーション、理論解析に基づき、新機能のマイクロ波・ミリ波回路、ならびに次世代ワイヤレス通信用の広帯域コンフォーマルアンテナの設計、試作、評価を行っています。また、高誘電率、磁性など種々の特性をもつ新しいマイクロ波材料の電気的、磁気的特性の高精度評価を行っています。これらの研究を通じ、理論、実験、シミュレーション総ての経験を積み、偏りの無い実力を身につけることを目指しています。また、本研究室は外国の有力大学と連携して研究をすすめており、これに伴う学生の交流も盛んで、豊かな国際感覚を養うことができます。この他に、近年、社会的関心を集めている電磁環境問題の対応策として電磁波吸収材、制御材を企業と連携して開発しています。さらに、無線電力伝送、マイクロ波の医療への応用、再処理溶液のマイクロ波加熱に関する研究を外部の研究機関と連携して行っています。

アーチ型反射波測定装置による電磁波吸収材の特性評価

衛星測位およびその応用技術に関する研究

情報通信システム研究室

担当教員/久保 幸弘

人工衛星を用いた測位・航法システムはGNSS(Global Navigation Satellite System)と呼ばれ、代表的なものとしてカーナビや携帯電話に搭載されているGPSがあります。また、日本の準天頂衛星システム(GPSの補強衛星)、欧州のガリレオ(ヨーロッパ版GPS)等が試験運用段階にあり、さまざまなアプリケーションや衛星電波の処理方法が考えられています。当研究室では、衛星測位システムの高精度化を行う方法や、加速度、ジャイロセンサ等を併用した複合測位システムの測位アルゴリズムに関する研究を行っています。またこれらを通して、移動体における情報通信システムの高度化、ITS(高度道路交通システム)への応用について考察していきます。

鉄道線路を利用した移動体GPS測位実験風景(近江鉄道・彦根駅にて)

光ファイバ通信技術とその応用に関する研究

光通信ネットワーク研究室

担当教員/齊藤 茂

光技術が大きな成果を収めてきた分野の一つに光ファイバ通信があります。本研究では、その更なる発展と応用展開をねらいとし、(1)光ファイバ通信 (2)赤外無線通信およびネットワーク (3)光センサの3つの領域で検討を進めています。光ファイバ通信は著しく発展してきたとはいえ、光の点滅に信号を乗せており、光の波としての性質を十分に使っているわけではありません。光の位相や周波数に信号を載せる変復調方式などの検討を通して、より高速で大容量の光ファイバ通信のあるべき姿を模索しています。また、光ファイバ通信技術と無線通信技術を組み合わせた室内光空間通信、半導体レーザ、光増幅器、光ファイバなどを用いた光センサ、それらを用いた遠隔測定や遠隔監視なども検討しています。

光増幅器やファイバなどを組み合わせた系によるレーザ発振の実験

半導体結晶成長とこれを利用した 太陽光発電技術の開発

光機能デバイス研究室

担当教員/高倉 秀行

私たち人間は、生きていくために必要なエネルギーを、米や野菜、肉など食物から得ています。一方、稲や野菜は太陽の光を吸収してエネルギーを蓄え、牛など動物は牧草を食べることで成長していきます。つまり、人間のエネルギーのもとをたどれば、太陽からのエネルギーに行き着きます。人間が活動するためには、食べ物とともに、石油や電気など多くのエネルギーを必要としています。現代人は、石油や原子力などを活用してそのエネルギーを得ていますが、その枯渇問題とともにこれらが環境問題を引き起こすことから、太陽由来のエネルギーに切り替える研究が最重要課題としてあげられています。当研究室では、高性能の太陽電池の開発と、太陽光発電で得たエネルギーをより使いやすくするためのシステム設計の研究を通してこの課題に答えようと考えています。

立命館大学に設置されている80kwシステム

センシングネットワークによる計測システムの応用展開

センシングシステム研究室

担当教員/高山 茂

測定する対象が広域に分布している、多種類の観測量を必要としている、人に対して危険を伴っている、測定装置の損壊が見込まれるような場合には、複数のセンサーや観測システムを連携協調させ、時には遠隔操作しながら計測を行わなければなりません。このような課題に対して、研究室ではセンサー、マイクロプロセッサー、無線通信ユニットを統合した自律型観測ユニット(センシングノード)とそれらによる無線ネットワークを構成し、応用展開を図っています。研究室にて扱う具体的な応用事例としては、山や丘陵地での斜面崩壊の予知、河川の流量や汚染の伝搬監視、生活環境における生理パラメータの動的監視、人の密集場所での流動監視などが挙げられます。研究室の学生・院生は、ハードウエア・ソフトウエアの区別なく社会にとって実用的なものづくりに取り組んでいます。

斜面崩壊監視ネットワークの構成要素となるセンシングノードの構成例

大規模ネットワークシステムのモデリング、推定、制御

システム制御工学研究室

担当教員/鷹羽 浄嗣

現代社会において私たちが直面する工学的問題が対象とするシステムは、ますます複雑になり、多くの構成要素がネットワークを介して結合した大規模システムとなっています。たとえば、スマートグリッド、センサネットワークや移動ビークルの航行管制などがその例です。このような大規模システムに対して、様々な制約条件の下で最大限に性能を引き出すためには、数理モデルに基づくシステム制御工学の考え方が大変重要です。当研究室では、大規模ネットワーク制御系に対して、その仕組みを解明し、実用的なモデリング、推定および制御の方法を提案することを目指して、システム制御工学に関する幅広い研究・教育を行います。研究テーマの例として、複数センサの同期制御、小型移動ロボット群のフォーメーション制御などがあります。

小型移動ロボット群のフォーメーション走行制御実験

光信号処理技術と通信・センシングへの応用

情報フォトニクス研究室

担当教員/瀧口 浩一

大容量化が進展する光通信技術は、インターネットのブロードバンド化を始めとして我々の生活に様々な恩恵をもたらしています。しかしながら電子回路を用いた通信用信号処理は、速度の限界、消費電力の増加などの問題を抱えています。2012年4月に発足した本研究室では、ナノフォトニクス技術、光導波路・光ファイバ中の回折、干渉、非線形光学効果などを活用して、光信号をできる限り光領域で処理可能で、高速性と低消費電力性を併せ持つ光信号処理技術の研究を進めていきます。また光には、生体や環境に優しく、高感度な検出が可能なソフトプローブという側面もあります。このような特徴と光信号処理技術を活用して、バイオ、医療、環境分野を主な対象とした高感度光センシング技術の実現、光センサの多重化(センサフュージョン)などの情報フォトニクス化にも取り組んでいきます。

集積光デバイスのシミュレーションの様子

光ファイバを用いた微小物体レーザトラップに関する研究

バイオフォトニクス研究室

担当教員/田口 耕造

光は圧力を持っています。私の研究室では、この光の圧力を利用して非接触で微小物体を自由自在にコントロールする研究を行っています。現在、光ファイバを用いた微小物体光捕捉システムの開発を行っており、先端部をレンズ加工した光ファイバからレーザ光を照射することで数マイクロメートルの微小物体の光捕捉が可能であることを確認しています。これが「光ピンセット」で写真のように2本の光ファイバを用いるとちょうど人間の右手と左手で、物を操るように物体をくっつけたり、離したりすることができます。微小物体が細胞の場合、細胞融合や細胞の中の組織の入れ替え手段としてバイオテクノロジーの分野でも大きな働きが期待できます。

光ファイバから照射するレーザ光を用いて純水中に分散させた生物細胞を光捕捉している様子

光と電子の相互作用の工学への応用

光量子エレクトロニクス研究室

担当教員/沼居 貴陽

担当教員は、本学着任前に日本電気株式会社の研究所で研究していました。そのときに開発した半導体レーザーは量産化され、光ファイバー通信用の光源として、日本縦断光ファイバーシステムと日米間海底ケーブルシステムで使われています。開発のもとになった理論解析、設計手法、微細工技術を発展させて、ナノ加工技術、半導体レーザー、光ファイバー通信システムの研究をしています。ナノ加工技術としては、従来200℃以上でおこなわれていたインプリントリソグラフィーを室温で実現できる技術を開発しました。半導体レーザーについては、単峰性ビームを保ったまま高光出力化が可能な構造を提案し、シミュレーションをおこなっています。光ファイバー通信については、非線形光学効果によって発生する雑音を低減する方式を提案し、理論解析しています。

室温インプリントリソグラフィー技術によって形成したパターン

有機太陽電池と分子モデリング

有機太陽電池研究室

担当教員/服藤 憲司

地球上への究極のエネルギー源である太陽光を利用した有機薄膜太陽電池は、シリコン太陽電池にかわる、低コストの、環境に配慮した創造的な電力源として期待されている。近年、有機薄膜太陽電池の進展は目覚ましいものの、課題は、光を電気に変換する効率がまだ低いことにある。この解決方法を、実験を中心にして、電気電子工学、物理、化学、生物、数理等の様々なアプローチで、若い創造的な力を結集して挑戦する。また、有機薄膜太陽電池のデバイス性能を改善していくためには、有機分子材料そのものの性質を理解することが大切である。このために、計算機を用いた分子シミュレーションを行う。有機分子材料を、その中の電子の振る舞いから考えたり、熱的性質や機械的性質に対して原子や分子のレベルで研究していく。

薄膜銀で作製された四角形の電極を持つ6つの有機太陽電池。半透明の緑色の部分は、有機材料の真空蒸着膜。

安全・安心社会のためのマルチメディア応用技術

メディア情報システム研究室

担当教員/福水 洋平

安全で安心な社会づくりに貢献することを目指して、機械学習をはじめとする先進的で知的な情報処理システムとマルチメディア技術に基づいた信号処理システムの研究を行っています。街頭や店先に設置された防犯カメラに人間並みの認識能力を持たせ、不審行動をとる人物を自動で見つけ出すカメラ映像処理システムや、高感度マイクで体内音を取得して信号処理することによって、動脈硬化や心疾患などの生活習慣病の予兆を発見する非侵襲の日常医療診断システム、暗闇や逆光、霧や粉塵により劣化したカメラ画像をコンピュータ処理により鮮明化する画質改善システムなど、ハードウェア処理を基盤としつつもソフトウェアの力を大いに活用する情報処理技術を研究しています。

知的防犯カメラによる不審者検出実験の様子

電子・光デバイスと画像情報機器への応用

画像情報機器研究室

担当教員/藤枝 一郎

美しい画像は人の心を奪います。通常では見えないものを可視化すれば、様々な分野で応用が広がります。「百聞は一見にしかず」と にあるように、画像情報の有用性は改めて強調するまでもありません。ディスプレイやスキャナなどの画像を扱う機器は、コンピュータのためのインターフェイスという側面もあり、情報社会の進化を推進しています。これらの基礎となるのは、電子・光デバイスや材料の技術と、応用光学の理論です。これらは、単にディスプレイやスキャナだけでなく、例えば次世代の太陽光発電や光通信へも応用されます。当研究室ではこのような分野にスポットを当て、要素技術から応用システムまで幅広い研究に取り組んでいます。最近の研究テーマは、有機トランジスタ、レーザー照明、集光型太陽光発電システム、等です。過去の経験で培ったネットワークを活用して、国内外の研究者と連携して研究を進めています。

レーザーと光ファイバを利用した液晶ディスプレイ用バックライト。シースルーで自由な形状にできる。

高効率薄膜太陽電池の研究と屋外実証評価

太陽光発電研究室

担当教員/峯元 高志

エネルギー不足や環境問題が危惧されています。この解決に太陽電池が大きな期待を集めてエネルギー不足や環境問題が危惧されています。この解決に太陽電池が大きな期待を集めています。太陽電池は光を瞬時に電気に変換するデバイスです。本研究室では、化合物半導体薄膜を用いた低コストかつ量産性に優れる高効率な「薄膜太陽電池」に取り組んでいます。デバイス最適設計から、薄膜堆積・結晶成長、そしてデバイス作製まで一貫して行っています。従来のシリコン材料の次に来ると言われているカルコパイライト材料や、地球の地殻に豊富に存在する元素を用いた太陽電池にも挑戦しています。太陽電池の応用範囲を広げる、軽量・フレキシブル化にも取り組んでいます。また、デバイスの開発に止まらず、実用サイズの太陽電池パネルの屋外実証評価にも力をいれています。産学官の連携を活発化させており、真に太陽電池の普及に繋がるような取り組みを行います。

作製したフレキシブル
Cu(In,Ga)Se2薄膜太陽電池

テクノコンプレクスに設置した太陽光発電システム

超高速光波形・光周波数制御の研究

超高速光工学研究室

担当教員/森本 朗裕

光は電波と同じ電磁波ですが、その周波数は電波よりも3桁以上高いため、マイクロ波などと比べて非常に高速な信号を作って計測することが可能です。時間領域ではピコ秒(一兆分の一秒)・フェムト秒(千兆分の一秒)の光信号を電気的な制御によって発生させ、その波形を制御する研究を行っていますが、近年ではアト秒(百京分の一秒)の光信号への期待が高まっています。またこのような超高速信号は、周波数領域では数テラヘルツ以上のスペクトル拡がりを有しており、通信や計測の分野で新しい応用が検討されています。当研究室では、電気信号を用いて光信号を制御するために、光変調とレーザー発振制御を中心とした研究により、光波形の変換、光周波数の変換、広帯域光周波数コム発生など、新しい光源を開発することを目指しています。

光ファイバーレーザーを用いた実験の模様。光変調を用いたレーザー制御によってテラヘルツに広がった光スペクトル生成している。

先端光学と光情報機器、生体光計測応用

光情報工学研究室

担当教員/渡邉 歴

光は、情報通信、エレクトロニクス、エネルギー、医療分野において重要な技術基盤です。当研究室では、光と物質との相互作用を利用して、光計測、光加工、光情報処理への応用を目指した融合的な教育、研究を進めています。光を用いると、生体を傷つけることなく、生体内部の形や機能を調べることができます。生体にやさしい光イメージングにより、病気の兆候を早期に診断することが可能になります。また、光のエネルギーを利用することで物質の構造を変えることができるレーザー加工についても取り組んでいます。

(左)レーザーを用いて生体や細胞内部を非侵襲にイメージング、(右)超高速レーザー加工によるガラスの接合

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