記述編目次→「2.学部教学-現状と課題〜1.法学部」
 

  1.法学部

 
 法学部は、情報化・国際化時代に真に求められる、グローバルな視点に立った法曹・法務プロフェッショナルを育成するために、学部教育において以下の四つの力を培うことを基本目標としている。第一に、「法化社会」の進行する中での市民としての法学政治学的素養、第二に、幅広い教養と豊かな人間性、第三に、グローバル社会に求められる外国語の運用能力と国際理解、第四に、高度化した社会で自らの進路を切り開いていくための専門的力量涵養のてがかりである。そして、法学部系における大学院「重点化」の新たな動きを見据えて、学部卒業生の三割が大学院に進学し、専門的な力量を身に付けられる学部教学の仕組みを構築していく。

 2001年9月1日現在での昼間主コース法学部学生の在籍者数は4,172名であり、そのうち女子学生は1,624名(39%)である。これに対して、法学専攻を含めた夜間主コース法学部学生の在籍者数は99名であり、夜間主時間帯で学ぶ学生数は社会構造の転換に伴い減少傾向にある。
 各回生別の学生数の内訳は、
1回生 2回生 3回生 4回生 5回生以上
1,106名 880名 1,045名 867名 274名
となっている。
 専攻別の学生数の内訳は、
司法専攻は、1回生608名、2回生449名、3回生528名と法学部での割合が高くなってきている。中でも、司法専攻の中に1999年に開設された法律学特修課程は、1回生132名、2回生86名、3回生87名と、順調に伸びてきており、2004年ロースクール開設に向けた動きと連動して、今後は司法専攻の中でかなりのウェイトを占めることになろう。これに対して、環境生活法専攻は、1回生120名、2回生119名、3回生171名となっており、減少の傾向にある。政治行政専攻は、1回生111名、2回生107名、3回生120名となっている。国際比較法専攻は、1回生223名、2回生159名、3回生200名となっているが、2000年に開設された国際インスティテュートでも、1回生94名、2回生58名と大幅な伸びを示しており、今後の国際化の動向に伴って法学・政治学を学んだ国際法務・公務の専門家の育成が急務となっている。
 2001年度4回生の卒業率は83%(全体では77%)となっており、2000年度78%、1999年度80%、1998年度79%よりも若干ではあるが好転している。但し、5回生以上の学生の卒業率は5割を切っており、何らかの対処が必要と考える。夜間主学生の卒業率についても、全体では82%となっており、昨年度81%よりも少しアップしている。

【司法専攻】
1回生 2回生 3回生
608名 449名 528名
【法律学特修課程】
1回生 2回生 3回生
132名 86名 87名
【環境生活法専攻】
1回生 2回生 3回生
120名 119名 171名
【政治行政専攻】
1回生 2回生 3回生
111名 107名 120名
【国際比較法専攻】
1回生 2回生 3回生
223名 159名 200名
【国際インスティテュート】
1回生 2回生
94名 58名

 女子学生比率は、年々上昇傾向にあり、専門法曹を目指す学生の中でも高い比率を占めてきている。しかし、女子学生の進路就職に関しては依然として厳しい経済情勢を背景に十分な結果を残せていない。そこで、本年度から開始した学生委員会と就職委員会との共同作業を通じて学生の入学から卒業進路決定までのプロセスを同委員会が分析調査する体制をより一層強化する必要がある。
 また、4,000名を超える学生が存心館を中心に法学政治学を勉強しているが、より快適かつ効率的な学習環境の提供という観点から今年度から館内全面禁煙とし、トイレの全面改装、オープン・パソコンルーム開設に伴うIT化政策を展開してきており、2002年からは学部教学の中でもより一層充実したプログラムを展開したいと考えている。

@コア科目
  法学部では、1999年より、法学入門、契約法I、憲法I、契約法II、刑法I(政治行政専攻を除く)および近代政治思想史(政治行政専攻のみ)の6科目を、法学部学生が学習を進めていく上で不可欠な基本科目(コア科目)として位置付け、登録者数300人規模に授業を分割するとともに、小テストおよびコミュニケーション・ペーパーを積極的に活用するなどして双方向型授業を実施している。また各クラスにはティーチング・アシスタント(大学院生)を配置し、学生諸君の自主的な学習を支援する態勢を整えている。さらに、定期試験に関する講評を行い、学生諸君との教学に関する共通認識を深めるようにしている。
A法曹進路開拓プログラムの前倒し
  2002年度からは、新たに法政特殊講義として2回生には司法演習、3回生にはプログラム演習Iを開設し、将来のロースクールにおける集中的な法曹教育に耐えられるだけの力量をつけるための法曹進路開拓プログラムを前倒し措置として実施する。
B専門ゼミ
  専門ゼミは3・4回生時の学習の中核であり、将来の進路との関係においてもゼミでの学習はきわめて重要である。次年度は、将来のロースクール開設を睨んで、従来以上に立命館大学法曹会のOB・OGの実務家等によるゼミを開講している。なお、4回生の就職活動との関係もあり、1999年度からは4回生ゼミは「卒業研究・論文」とし、3回生ゼミとは分離して単位認定している。
C双方向型授業の実現
  コア科目における双方型授業の実践以外にも、全科目について500人以下となるように授業分割を行っている。授業では、小テストおよびコミュニケーション・ペーパーの活用やティーチング・アシスタントを配置して、教員と学生諸君との双方向的な学習の準備作業体制を確立している。また、定期試験においても、できるだけ多くの科目において教員による講評を奨励し、学生とのコミュニケーションを取り計らっている。

 

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