記述編目次→「4.豊かな学生生活の創造〜3.キャリアセンター」
 

  3.キャリアセンター(進路・就職政策)

 
近年の採用戦線においては大学時代に修得した能力の質=「学びの質」が厳しく問われている。これに応えるためには、入学後の早い時期から将来の夢や働くことについてしっかりと考え、正課・課外を通じて学生生活を充実させることがきわめて大切であり、キャリアセンターではしっかりとした職業観の育成と目的意識をもった学生生活の支援のためのキャリア形成プログラムを強化している。

日常的な窓口相談や基本ガイダンス、CA懇談会に加えて各種講演会や業界研究講座、ふれあいセミナー、女子就職合宿、地域別就職合同セミナー(父母教育後援会と連携)、インターンシップの促進、インターネットによる情報提供などの様々な支援を強化している。また全学進路・就職委員会と学部進路・就職委員会、BKC教学・進路・就職懇談会の設置、課外活動団体の監督・コーチ、顧問、副部長による支援、東京オフィス・大阪オフィスを含めた4拠点での支援など進路・就職を全学課題として取り組んでいる。特に2001年度からは、学生が早期に学びの目標を見つけ、大学が提供するプログラムを利用して充実した学生生活を送ることができるように全学部と協力して「Career Chart=自己開発ノート」を導入した。
またプレイスメントリーダー(PL)、ジュニアアドバイザー(JA)、キャリアアドバイザー(CA)が自主的な就職支援体制=スチューデンツネットワークを形成して学生をサポートしている。

就職決定率はここ数年90%以上で推移しているが、この間の就職環境の変化は、大学における進路・就職支援が大きな転換期にきており、3回生になってからの就職活動の準備段階で対処できる領域が極端に減少していること、従って進路・就職がもはや就職支援セクションの奮闘だけでは立ち行かなくなっており、学生1人ひとりを自立した社会人として送り出す教育、人材教育という視点から、大学がしっかりとその役割を果たすことが求められていることを示している。
キャリアチャートは、入学直後に「大学で学ぶ」ということや「進路」を考える等、自己実現計画やその到達度を学生自身が検証できるようにしているが、十分活用されるまでには至っていない。
 PLは彼ら自身の問題意識の高さや活動を通じて成長していることが高い内定率に結びついているが、ゼミやクラブの中でのその役割が十分発揮されていないという面も見られる。またJAは後輩支援が自らの成長にもつながっていることから、就職後も後輩を支援したい(CA)という意識が強い。
低回生に対しては、4年間の過ごし方、大学で学んだことと働くこと、職種の研究、スキルアップのための学習プログラムの紹介等、段階的な企画やインターンシップの展開が学習や進路の動機づけ、キャリアデザイン形成のための意識啓発につながっている。

激変し、厳しさをもつ現代社会との関係で、あらためて大学における人材育成のあり方が問われており、学生のもつ潜在的な能力を最大限引き出し、社会に送り出す人材育成についての総合的なビジョンを明らかにする必要がある。特に進路・就職支援を推進するキャリアセンターの機能強化と業務の高度化は一層重要となってきており、スタッフの基礎・専門知識や能力の高度化、「学生育成」に関わる情報収集・調査分析に基づいた情報提供・コンサルティング機能を強化する必要がある。また全学進路・就職委員会の機能強化とBKC教学・進路・就職懇談会での学生情報の積極的な共有や学生育成のあり方の検証、正課・課外での協働などに取り組む。さらに全学的に展開されるキャリア形成科目を通して、学生たちが雇用と仕事と生活をめぐる今日の諸問題について深く多面的に理解し、的確な職業選択にも役立たせることができるように社会観・職業観育成と職業理解の視点からキャリアセンター支援企画を工夫する。


 

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