1−3 国際化の推進


1. 本学の国際化と国際教育・研究推進機構



本学の国際化は、国際関係学部の設置(第1の波)、APU開学(第2の波)を経た今、新たな国際化の段階(第3の波)を迎えようとしている。国際教育・研究推進機構は、2000年度サマー・レビューおよびスプリング・レビューにおいて、国際社会を導く高度人材育成プログラム「ARISE2000」として、

@本学の「新たな国際戦略についての取り組みの姿勢とマクロフレーム」
A「留学生・国際学生のサポーティング・インフラ整備」
B「教育・研究、キャリア・ディベロプメントの高度化戦略」
C「ARISE2000実施にむけた行動計画」

について提起するに至った。この具体化が次年度以降の課題となる。この間の本学の国際化の到達点は、以下のとおりである。


(1)
国際交流協定締結大学・機関は、2000年度に29カ国・地域102大学・機関となった。これらのネットワークを本学の強みとして、各大学・機関の特色を活かした多様な交流を行っていく。

(2)
本学における正規留学生は、2000年度に学部学生284名、大学院生95名、短期留学生38名であった。正規留学生については、大学院に重点をおきつつ、これまで以上に積極的に受け入れていく。また、短期留学生についてもこれまで以上に積極的に受け入れていきたいが、インターナショナルハウスがほぼ満室状態となっており、新たな宿舎確保が緊急な課題である。

(3)
国際教育プログラム:「異文化理解セミナー」は、2000年度に275名を10カ国・地域11大学に派遣した。「UBCとのジョイント・プログラム(UBCJP)」は、2000年度に100名を派遣した。「交換留学」は、2000年度に35名を12カ国・地域23大学に派遣した。「アメリカン大学との学部共同学位プログラム(DUDP)」は、2000年度に15名を派遣した。各プログラムとも本学独自のプログラムで、派遣先大学と協力して運営しており、学生の満足度が高い。また、進路・就職の分野においては、「DUDP」「UBCJP」の評価が高く、全学の牽引的な役割を果たしている。しかし、派遣者はこれで十分であるとはいえず、学生・院生のニーズにも応え、新たなプログラムの開発や新たな交換留学先の開拓が課題である。

(4)
研究交流は、
@国連信託基金による国際シンポジウムを開催協力
A世界銀行Global Development Networkに参加


交換教員は、
@AUとの交換教員(隔年)
Aボルドー政治学院との短期教員交換を実施した。



2.外国語・言語教育


98外国語教育改革は、「自己表現活動と総合的運用能力」の育成を目指し、「コンテント・ベースト教育」を軸に、「多文化・多言語世界の時代の国際理解と共生」という21世紀の地球市民としてのキー・コンセプトも学ぶことを狙いとした。1・2回生の基礎教育部分で学習すべき内容を明確にし、2回生以上で継続学習を保証する系統的プログラムを展開してきた。この間の到達点の特徴は、以下の通りである。


(1) 98外国語教育改革では、コンテント・ベースト教育、CALL授業、双方向型授業などの新たな教授法や外国語コミュニケーションルームにおける学習相談室活動なども取り入れた新たな学びの構造を構築してきた。本学が目指す外国語教育は、コンテント・ベースト教育を基礎に、学生の知的探究心を引き出し、「自己表現活動」に結びつける教育活動を重視しており、その成果を検証する学力指標の問題は、今後とも科学的な研究を進めるべき課題である。

(2) 総合的運用能力の養成について、@英語の場合、TOEFLスコア450以上到達者数が増 え、各学部の国際化対応コース・プログラム学生が牽引的な役割を果たしている。A初修外国語の場合、初修重視コースで週4回の集中学習、日本人教員とネイティブ・スピーカー教員との連携授業などにより、独・仏・中のいずれも検定試験の受験者数・合格者数ともに増加している。Bしたがって、UBCJP、DUDP、交換留学、異文化理解セミナー、学部単位の海外研修プログラムなど参加者の母体層の拡大につながっている。

(3) 多様化への対応について、@講義科目「世界の言語と文化」は、外国語学習への動機付けだけではなく、比較言語教育・異文化理解・国際理解教育も目指し、ほぼ肯定的な評価が集まった。今後は、学部専門教育との関連も視野に入れた検討が必要である。A全学部にわたりグレード別クラス編成を導入している大学はあまりない。B高校からの継続学習者のための既修者対応プログラムは、初修外国語学習における中核層を育成している。C選択外国語は再編され、要卒科目へ組み込まれた。D再履修・特別補習は、学生生活上の問題が根底にある場合が多く、その角度からの対策が必要である。

(4) 学部専門教育と外国語教育との連携について、日常的な学習環境そのものが外国語や外国文化との接触の場となるような工夫が必要である。



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