1−5 入学政策

(1)学生の受け入れ−入試政策−


【理念・目標】 (改革の経過やねらいを含む)
(1)
2大キャンパスとAPUにおける教学改革、進路(大学院・就職対策)と連動させる総合的な入学政策の確立と本学が全国各地から支持される指標である志願者の確保。
(2)
21世紀の社会情勢、高等教育情勢を見据えた新たな教学を展開させる。同時に本学が受け入れたい学生像・受入方針(アドミッション・ポリシー)を明確にし、それを踏まえた新世紀初頭の先駆的入試の新しいモデルの構築と、大学院新展開を支える入学者の確保。
(3)
各学部の教学目標に即したAO(アドミッションズ・オフィス)入試の本格展開。
(4)
高等学校との教育的接続の積極推進。
(5)
IT時代を踏まえた学生受け入れ政策の構築と展開。


【現状・評価】

2001年度入試での立命館大学の志願者数は、101,577名、前年度比 109.2%で、立命館アジア太平洋大学(APU)の志願者数は、4,589名、前年度比107.1%だった。立命館大学が志願者で10万人を上回ったのは三度目で、2001年度は過去最多である。また、APUは開学して初めての入試だったが、前年を上回り、しかもより全国型の特性を鮮明にした。

(1) 部別状況
増加した学部は、理工学部29.0%増、文学部26.5%増、産業社会学部18.5%増、法学部14.5%増である。理工学部は、電子光情報工学科への名称変更とセンター試験利用方式前期に3教科型を加えたことも主因といえる。文学部と産業社会学部は新学科の心理学科と人間福祉学科の人気のほかに、センター試験利用方式のセンター試験前出願締切も大きな伸びにつながった。減少した学部は、国際関係学部18.4%減、経営学部14.7%減、経済学部9.9%減、政策科学部9.8%減である。
(2) 地域・男女・現浪別志願者数の状況
出身高校地域別では、近畿圏45.7%で前年度より0.9%減。近畿圏以外は、前年度より0.9%増加し、53.4%でした。センター試験利用方式の受験者増や地方会場の展開により、地元での複数受験が定着化したことが要因である。男女別では、女子が30.1%で前年度より1.4%減。現浪別では、現役が62.5%で前年度より0.4%増加。ここ1〜2年は現役志願者数の急激な減少が予測されていないことから今後もこの傾向は続くものと思われる。
(3) 入試方式別の志願者数状況
C方式が117.6%増、女子特別42.8%増、後期分割18.7%、センター試験利用方式前期日程で17.6%増、A方式6・6%増。C方式は今年度から2回受験実施のため増加し、センター利用方式は全国的なセンター試験受験者の増加、国立大志望者層の上位私立大受験の増加、同一学部を4教科型と3教科型の2パターンで併願できることなどが背景にある。個別方式では、JE方式(39.0%減)、E方式、M方式等が減少している。
(4) 実志願者数と志願者1人当たりの併願件数
1人あたりの併願件数は2.12件で、前年度より0.07件増加。本学の教学改革や進路・就職実績等への幅広い支持層の拡大により年々、実志願者数は拡大している。
(5) 合格者数の状況
合格者数は、21,319名で前年度より761名増加しました。A方式、M方式、JE方式、女子特別で減少したほかは、各方式ともに増加しており、センター試験利用方式前期日程は前年度比117.5%と門戸を広げた。全体の競争率は、4.6倍で前年度より0.2ポイント上がった。方式別ではC方式が高い一方でJE方式は前年度高倍率のため合格者数を絞り込んだ。現役合格者は、56.7%で前年度より0.8ポイント下がり、合格者全体に占める女子合格者は29.7%で、前年度より2.8ポイント下がった。女子は志願者が減少したのに合わせて合格者数も前年を下回った。


【課題と改善方向】

文部科学省の教育方針や大学教育審議会答申にもあるように、わが国を取り巻く教育環境は21世紀初頭大きな変化を見せようとしている。今後さらに中等・高等教育機関との連携と情報交換を図りながら、密接に連動していく必要がある。また大学全入時代を前に、本学の独自の教学内容の確立を目指すことで、今以上に幅広く支持されるものと考える。

(1)
APUの開学により2大学3キャンパス、3附属校としての総合学園としての立命館の特徴を発揮した教学政策に沿った入学政策を展開する。また、国内外の優秀な学生の受け入れを目指し、双方向ネットワーク作りを行う。
(2)
入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)を明確にし、教育界・受験界に発信する。その中で総合学力に優れた学生の確保を目指し、3教科論述型入試、4教科型入試を導入し、21世紀初頭の先駆的入試の新しいモデルを構築する。
(3)
中等教育現場との連携と相互理解を図り新しいAO入試モデルを提示する。高等教育に必要な基礎学力の修得を前提に、自己表現力に豊かな入学者の発見の場とする。
(4)
高等学校との教育的接続を積極的に推進し、リーディングユニバーシティとして有機的連携のあり方を提示する。
(5)
2大キャンパスとAPUにおける教学改革、進路(大学院・就職政策)と連動させる総合的な入学政策の確立を図る。
(6)
社会人・編入学試験を通じ、多様な社会経験を持つ学生受け入れ策を一層推進する。
(7)
留学経験や国際交流において優れた実績をあげた学生とAPUの先行事例も活かした留学生を確保し、国が推進している留学生受け入れ政策を先取りする。
(8)
IT化に伴う受験システムの変革を推進し、時代の新しい動きを迅速、的確に対応する。高等学校と受験生がより簡明に本学の情報を入手でき、密接な連携を図ることが可能である。



(2)中高大(院)一貫教育の展開


@ 立命館大学への学内進学の状況


【理念・目標】
立命館大学および立命館アジア太平洋大学へ、優れた能力と豊かな個性をもち、学園のあらゆる分野において中核となり、リーダーシップを発揮できる学生を輩出する。立命館大学の入試政策上、附属校からの学内進学の目標値を入学者比20%としている。


【現状】
2000年度において、附属3高校(立命館高、立命館宇治高、立命館慶祥高)から立命館大学へ918人、立命館アジア太平洋大学へ22人進学している。新入生に占める附属校出身者比率は、立命館大学13.6%、立命館アジア太平洋大学6.3%(春入学、国内学生)である。立命館大学の学部別にみると最高で17.2%、最低で7.2%となっている。


【評価・課題】

現在の附属3高校の生徒数からみると、附属校出身者比率はほぼ横ばいで推移すると見込まれる。少子化にともなう各地域の私立高校生徒募集数の自主規制等により、附属高校の生徒数に影響を受けることも予想される。


A 特色ある一貫教育の展開

【理念・目標】

総合学園における附属校として、その優位性を発揮して中学校、高等学校および立命館大学、立命館アジア太平洋大学の学部、大学院との連携を強め、教育内容を充実させ、社会に有為な人材を育成する。


【現状】

毎年6月に附属高校3年生対象オープンキャンパスを開催している。衣笠・BKC両キャンパスで同日開催し、約1,000人の附属高校3年生が、学部等のガイダンス、模擬授業に参加した。本企画は、学部・学科選択の最大の動機づけとなっている。 毎年2月に、大学入学前の接続教育として附属校からの進学予定者を対象にブリッジ講座を開講している。2000年度において1学部を除く学部で開講された。  その他、附属校教員による適性を考えた進路指導や大学教員による進路講座・教養講座、初修外国語の附属校における履修者を対象とする既修者クラスの開講等を実施している。


【評価・課題と改革の方向性】
従来、大学への進路指導を中心に中高大の協力を強めてきたが、全国的な高大連携の進展をふまえて、2003年度学習指導要領改訂を具体化する附属校の改革では、中高大(院)の教育連携を強化する方向を打ち出している。 取組みの一例として、2001年度に法学部と附属校の連携講座「附属高校法学講座」(高2・高3対象)および「法学基礎講義」(大学入学後要卒2単位認定、高3対象)を開講する。



|  HOME  |  記述編  | 1999年度データ編 | 2000年度データ編 | ひとつもどる>>>