1.学術情報部門における現状と課題


【現状】
 学術情報部門においては1999年度より日経テレコン21、朝日新聞記事データベース、Dialog Select, Lexis-Nexis, ProQuest, OCLC First Searchなどのデータベースを学生・教職員に無料で提供し、学生のゼミ発表・レポート作成、教育・研究活動における情報収集に大きな役割を果たしている。これらはAPUでも共通に利用できるシステムとなっている。業務においては、図書の受入・目録・装備、雑誌の製本業務、土日・夜間における窓口業務などの定型業務のアウトソーシング化を図り、資料整理の迅速化(全ての資料の平均作業日数17日)、開館時間の延長(衣笠図書館の22時開館)や開館日数の拡大(衣笠図書館の315日は大手私大ではトップ)が可能となった。衣笠図書館、BKCメディアライブラリー、メディアセンターの3施設の年間入館者数は約180万人(学生・教職員1人あたり50回)に達したが、これら施設がパソコンルームを設置している事も増加の一因である。



【評価】
 全学に整備された情報基盤を活用し、学生・教職員が自由に利用できるようデータベースの提供を開始し、その利用もこの2年間で大きな伸びを示している。特に企業情報データベースは就職活動を中心にした利用が進んでいる。また、海外のデータベース利用についても教員・大学院学生を中心に着実に増加している。業務のアウトソーシングについては全国的にみても最も先進的に取り組んでおり、学園の発展とともに拡大する業務量を専任職員を増加させる事なく、確実に処理可能となっている。一方、学生の図書資料の貸出に大きな変化はなく、今後各学部との連携を強化するとともに、資料収集、ガイダンス、レファレンスなどを有機的に結合した業務のあり方を追求する必要がある。


【課題と改善方向】
 2001年度より衣笠キャンパスおよびBKCに業務委託によるレファレンスライブラリアンを導入し、レファレンスからデータベースの利用指導まで木目細かいネットワークを活用した学術情報サービスを目指す。また、情報管理課と衣笠情報サービス課を再編統合し、衣笠メディアサービス課とし、BKCについても窓口業務の業務委託を進め、課名をBKCメディアサービス課とする。雑誌業務については、受入、目録、製本、配送業務を業務委託する。更に学生の学習・教育により密着した業務展開を図るために学生スタッフを育成する。書庫問題の解決は急務である。




2.情報システム部門における現状と課題


【現状】
 教育・研究システム系では、1999年4月に第3期情報基盤整備が完成し、両キャンパスあわせて3,362台のコンピュータが整備された。2000年4月にはAPUの基盤整備も完成し、2大学6キャンパスを結ぶ学園全体の情報基盤が整備された。また、1999年度からは情報リテラシー教育が本格的に開始され、現状としては学生の90%、教員の75%がネットワークを利用して学習、教育・研究活動をおこなっている。
 事務システム系では、2000年に事務情報システム(RISING)のリプレースが完了し、契約職員を含め1人1台を実現しており、全学で約940台が配置されている。RISINGを活用して事務連絡から意見交換、情報収集など従来見られなかったコミュニケーションの形が展開されている。



【評価】
 教育・研究システム系ではオープンルームの利用者が年間100万人を超える状況となっており、コンピュータは学習・教育・研究における最重要なツールの一つとなっている。今後本格的なネットワーク時代を迎え、情報リテラシー能力を高めて行く事が極めて重要である。本学における情報基盤整備は全国的にみてもトップクラスにあるが、今後は、ネットワークやマルチメディア機能を活用し、APUを含めたキャンパス間での双方向授業や海外協定校との共同ゼミが日常的に実施できる施設整備や学生のコンピュータ利用に対応するための自学自習のためのオープンパソコンルームの整備を重点化する必要がある。事務システム系では、学生サービスにおいて各種証明書の自動発行やインターネットを介しての就職支援などの充実を図ってきたが、今後ITを活用した学生への情報サービスを豊富化する必要がある。


【課題と改善方向】
 教育・学習のIT化を実現するためには、ITを活用した教育、教材のディジタル化、教育に必要な各種データベースの構築、遠隔教育の実施などに取り組む必要がある。2001年度より学園のIT化をより一層進めるため第4期情報基盤整備に着手する。また、これを実現するためには総合情報センターの学術情報システム、教育研究システム、事務システムを有機的に結合させる事が重要であり、これらシステムの設計・開発・運用を効率良く進めるために、2001年度から事務システム課、教育研究システム課を再編統合し、情報システム課とする。
 学生への情報サービスについては、学生支援の迅速化・高度化・効率化や事務作業量の軽減化を図るためにも実施可能な分野から順次検討する.


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