2015.08.17

TAZ君

皆さんは夏休み、如何お過ごしですか? 受験生にとっては、最後の追い込みをかける毎日と思います。くれぐれも体調管理を大事にして頑張って下さい。スポーツもそうですが、夏にしっかりと仕込めると、その成果は必ず現れます。大学生は、まとまった長期休暇ですから、海外渡航、合宿、帰省、インターンシップなど思い思いの過ごし方でしょう。良い思い出、経験を積んで下さい。

今回紹介するのは、テキサスから来てくれた高校生のTAZ君です。アメリカ生まれ、アメリカ育ちの日本人です。アメリカの学年暦でいえば、8月下旬が新年度になるので、今度高校3年生になります。アメリカの高校も夏休みが2ヶ月ほどあります。TAZ君は、小学生、中学生の頃、アメリカの夏休みの前半は、日本の学期と重なるので、その期間、日本の学校に通っていました。毎年1ヶ月ほどになるでしょうか。そのため、日本語の読み、書き、話すは全く問題ありません。まさにバイリンガルです。


そんなTAZ君から、7月初め頃にメールをもらいました。親御さんの実家が滋賀にあるということで、そこを拠点にしながら、将来のキャリアを考えて、何かしらの経験をつみたい、できればインターンシップのような機会を与えて欲しい、という内容でした。その文章が、本当にしっかり書けていて、体裁、内容ともに高校生とは思えない内容でした。もちろん、喜んで受け入れると返事をして、日本到着早々に研究室に来てもらい、お話をしました。第一印象は、「しっかりと物事を考えていて、まっすぐとした良い眼を持っている好青年」です。研究室紹介、施設紹介を終えて、将来のキャリアについて話をしましたら、大学進学は医学部か生物学部を考えているとのこと。Hassy先生がポスドクをしていた難関大学も検討しているとのこと。であれば、しっかり勉強してもらおうと、ポスドクのSUGさんにお願いして、現在、研究を進めている実験に参加してもらい、主に筋電図解析をしてもらうことにしました。写真はそのときの様子です。アメリカに戻っても、解析を続けたいとのことで、引き続きやってもらい、論文発表までのプロセスも経験してもらおうと考えています。

インターネットの世の中は、「門を叩く」ことを容易にしてくれています。一昔前であれば、誰かに紹介してもらい、手紙でやりとりして、という段取りをいくつも経て、ようやく会えることになります。もちろん、その段階を踏む、というのも重要な経験です。一方で、いまや直接にコンタクトがとれ、即時にやりとりができる時代です。もちろん、メリットだけでなくで、使い方を間違えるとデメリットにもつながりますが、今回のケースのように、自分の成長、キャリア形成に「一歩踏み出す」ためには、強力なツールです。それにより慣れている若い世代の人たちが大いに活用して、自分の成長につなげて欲しいと願っています。ただし、TAZ君のように、礼儀正しく、かつ想いを伝えられるメールの文章が重要になることは言うまでもありません。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
1.この間、案内しています、ちらっと出演する(「凄(すご)ワザ」)が放映されます。
今週(8/22)と来週(8/29)の土曜日午後8:15-8:43、NHKです。良かったら見て下さい。
2.今月上旬に、初めてASB(アメリカバイオメカニクス学会)に参加してきました。4日間、朝8時から夕方まで濃密なスケジュールで、この分野の研究動向をしれた刺激一杯の学会でした。
3.ASB参加の折りに、飛行機から撮影した富士山です。清涼剤としてご覧下さい。
【忠】