About Our Research
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精密合成化学研究室は2008年4月に新しく開設した研究室で、新しい医薬品やその関連化合物、機能性有機物質を独自に設計し、これらを有機化学的手法によって創り出すことに関する学問に真剣に取り組むことを主眼とします。
具体的には、
1)これまでに我々は芳香族化合物の高度分子変換として金属触媒を用いないで、ヨウ素反応剤によるC-C, C-N, C-O, C-Sクロスカップリング反応を発見した。現在これらを応用し、医薬品および機能性材料開発を見据えた新しい芳香族有機分子の設計と、新規機能開拓にも積極的に取り組んでいます。
2)独自に開発した、O、N、Sなどのヘテロ原子や超原子価ヨウ素の特性を利用した新反応を駆使し、強力な制がん活性を有する創薬リード天然物であるfredericamycin A、discorhabdin Aや γ-rubromycinの全合成を世界に先駆けて達成しました。また、がん転移抑制機能を有する新規oleamide誘導体などの一群の化合物を見出しました。目下、これらの生物活性評価とコンピュータ支援等の結果を合わせて考慮し、より良いくすりを理論的に設計し開発することを目指しています。
加えて、常に環境や人体への影響を考慮し、環境調和を志向する低毒性反応剤として超原子価有機ヨウ素化合物の利用や、水中での反応やリサイクル・触媒反応などの反応および反応剤設計を同時に行っています。これらの研究を通じて有機合成に精通した人材を育成し、将来の新薬・機能分子開発のエキスパートとなる優れた人材を世に輩出することに力を注いでいきます。
研究助成取得状況(H24)
科学研究費補助金 基盤研究 (A)(新規) 研究代表者:北 泰行
研究課題:レアメタルを用いない革新的カップリング法に基づく新規機能性物質の合成研究
科学研究費補助金 新学術領域研究(継続) 研究代表者:北 泰行
研究課題:レアメタルを用いないカップリング反応による精密合成設計
科学研究費補助金 若手研究(A)(新規) 研究代表者: 土肥 寿文
研究課題:超原子価種が触媒する新規結合形成反応の開発
科学研究費補助金 若手研究(B)(継続) 研究代表者:森本 功治
研究課題:金属触媒を用いない革新的クロスカップリング反応によるビアリール新合成とその応用
科学研究費補助金 研究活動スタート支援(継続) 研究代表者:伊藤 元気
研究課題:ヨウ素反応剤を用いた選択的カップリング反応による官能基化芳香族化合物の合成
(公財)住友財団基礎科学研究助成(継続) 研究代表者:土肥 寿文
研究課題:高活性酸素架橋型ヨウ素触媒の設計と環境調和型酸化反応の開発
(公財)中部電気利用基礎研究進行財団(継続) 研究代表者:土肥 寿文
研究課題:有機ヨードニウムの酸化還元制御による環境調和型合成法の開発研究
(公財)旭硝子財団(継続)研究代表者:土肥 寿文
研究課題:超元素的化学挙動に基づく新規合成反応の開発
立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)研究プログラム(継続)
研究代表者:北 泰行
研究課題:創薬ならびに有用機能性有機分子創製を志向するサステイナブル精密合成研究
立命館研究推進プログラム「基盤研究」(新規)研究代表者:土肥 寿文
研究課題:ハロゲン族有機酸化触媒の創生
受託研究 2件 ほか
精密合成化学研究室の紹介