学部概要

教員紹介

有田 豊 准教授

専門分野
宗教文化学、中世ヨーロッパ文献学、外国語教育学

プロフィール
京都府出身。大阪市立大学文学部卒業後、大阪市立大学大学院文学研究科でフランス語・フランス文学を専攻し、2013年に後期博士課程修了。博士(文学)。学位取得後は、複数の大学や高校で非常勤講師を務め、イタリア国立ボローニャ大学客員研究員、立命館大学言語教育センター嘱託講師を経て、2019年に立命館大学政策科学部に着任。趣味は音楽鑑賞、音楽演奏(ベース、テナーサックス)、ロードバイクなど。
研究・教育
12世紀に創設されたキリスト教の一宗派「ヴァルド派」(仏:Les Vaudois、伊:I Valdesi、独:Die Waldenser、英:The Waldenses、羅:Valdenses, Waldenses)について、歴史的、教理的、文献学的見地から研究を進めています。中世期に生まれ、カトリック教会から「異端者」として断罪されたヴァルド派の人々は、16世紀にスイスの改革派と教理的に合同しました。ただ、教理を同じくしているにもかかわらず、彼らは自らを改革派とは名乗らずに、合同後も「ヴァルド派」という呼称を使用しています。なぜ彼らは「ヴァルド派」と名乗るのか、「ヴァルド派」としてのアイデンティティは如何なる点に見いだされるのか……この問いに対して信者側の視点から答えを導き出すべく、中世から現代にいたるまでに宗派内部で作成された様々な文書を読み解き、信者たちが「ヴァルド派」をいかなる集団と認識してきたのかを通時的に明らかにすることをライフワークとしています。
研究を行う上で身につけてきた語学力を活かし、学内では主に初修外国語科目のコーディネート業務と授業(フランス語)、学内講座(イタリア語)を担当しています。昨今では学会や研究会で教育関連のワークショップを企画したり、歴史文法に関する知識を盛り込んだコラムを執筆したりと、外国語教育の分野においても精力的に研究活動をするようになってきました。研究と教育、この2つにバランスよく取り組んでいきたいと思います。

「異端」とされた宗派の言葉を読み解き、知られざる思想に迫る
https://www.ritsumei.ac.jp/research/radiant/language/story2.html/
メッセージ
初修外国語科目担当者の私が、授業で学生のみなさまに伝えているメッセージとして、次のようなものがあります。

言語とは、人類が産み出した偉大なる「発明品」である。
言語を使うと、時間や空間を問わず「使用者の思考」にアクセスできる。
言語を介して、我々は「他者の人生」を生きることができる。
言語を学ぶことは、自身の人生をより豊かなものにすることである。

1つめの言語にはじまり、2つめの言語、3つめの言語と、自身が知っている言語の数が増えれば増えるほど、私たちの視野は広がります。また、言語を駆使することで、私たちは膨大な知識の海から、様々な情報を得ることができます。政策科学部は「複言語主義」を重視している学部ですので、ぜひ複数の言語を使い、広い視野を持って、研究を深めていって下さい。そのためのお手伝いができることを、楽しみにしています。

Quae sit sapientia disce legendo(知恵の何たるかを読むことによって学べ)
キーワード
ヴァルド派、キリスト教、集団意識、アイデンティティ、異端、西洋中世、中世写本、古オック語、宗教改革、プロテスタント、外国語教育(フランス語、イタリア語)