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研究実践フォーラム「南信州プロジェクト」が実施されました

2025年8月16日から8月21日にかけて、本学政策科学部の学生が長野県飯田市で現地フィールドワークを行いました。
この活動は、政策科学部開講授業「研究実践フォーラム」の特定プロジェクトの一つ「南信州プロジェクト」として実施されたものです。以下に、(1)政策科学部「研究実践フォーラム」授業および「南信州プロジェクト」の概要、(2)今回の活動報告を紹介します。

(1)「研究実践フォーラム」授業の「南信州プロジェクト」について
 「研究実践フォーラム」は2回生の小集団演習科目のグループワークを行う科目として開講され、1回生の小集団演習科目で得た問題意識を基礎として、すべての学生がいずれかのプロジェクトに所属し、共通のテーマをもつ研究グループを編成し、春学期と秋学期の1年間かけてグループワークで研究し、その成果の研究発表を行い、報告書を作成します。

「研究実践フォーラムⅠ・Ⅱ(それぞれ春学期、秋学期開講)」には、研究のフィールドを学生自身が開拓する自主的な「自主プロジェクト」と、学部側からいくつかの研究のフィールドが提供される「特定プロジェクト」があります。

「南信州プロジェクト」は特定プロジェクトの一環として開講され、飯田市を中心とした南信州をフィールドとして研究することを希望して申し込んだ学生たちが集まり、プロジェクトを組んでいます。現地フィールドワークの実施により、①現地調査を遂行することで問題を的確に発見し分析する能力を身に付けること、②現地の大学生、受入機関職員などとともに、共通の課題を抽出し、調査を通して、的確な分析を行い、また比較の視点を意識するようになる、という力が身につくことが、参加の利点です。学生にとっては、地域の人と関わりながら6日間の現地調査を進める貴重な機会となりました。
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フィールドとなった南信州・飯田市の天竜峡



(2) 南信州プロジェクトの活動実施報告
 8月16日~19日午前には、飯田市が主催する「学輪IIDA共通カリキュラム・ソーシャルキャピタル・フィールドスタディ」に参加しました。このプログラムでは、ソーシャルキャピタル(社会的関係資本)の理論を講義で学び、市民活動の実践者の報告や現地事例ごとのフィールドワークを通して、地域社会のつながりや活動の要因を考えました。
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飯田市街地のまち歩き(ソーシャルキャピタル・フィールドスタディ)



2025年度の対象事例は、例えば、りんごシードル文化の普及をめざす、「NPO法人国際りんご・シードル振興会」や、閉校となった校舎を保存・活用する「杵原学校応援団」など4つありました。学生たちは他大学の学生や地元高校生と5~6人のグループを組み、地域リーダーへのヒアリングや報告会での成果発表に取り組みました。
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事例調査:子育てサロン・NPO法人おしゃべりサラダ(ソーシャルキャピタル・フィールドスタディ)


また、農家民泊や「日本一の焼肉のまち」飯田市での食文化体験もあり、地域の暮らしや文化にも触れることができました。学生たちは、この歴史ある学輪のプログラムを通じて、南信州・飯田の学びの文化に出会い、現地での交流を通じて多くの学びを得ました。



学輪IIDAのプログラム終了後、8月19日午後から21日にかけて、南信州プロジェクト独自の現地調査を行いました。今年度の学生たちは「飯田市の移住政策」に関心を持ち、「お試し移住を踏まえた移住支援制度のあり方」を研究の問いとしました。飯田市は『田舎暮らしの本』(宝島社)「2025年度版 住みたい田舎ベストランキング」で、人口5~10万人規模のまちにおける若者・単身世代部門の第1位に選ばれた自治体です。そうした飯田市において、市役所担当者との意見交換や、移住体験制度「遠山郷ショート留学」利用者、移住コンシェルジュの方々へのヒアリングを行いました。

飯田市役所での移住政策のヒアリング

旧飯田測候所での移住コンシェルジュとの対話



また、空き家を改修して移住・交流の拠点づくりを進める天竜峡の施設「HIGASA」、遠山郷で活動する地域おこし協力隊、移住者が開業したゲストハウス「太陽堂」なども訪問し、現場での生の声を伺いました。3日間を通じて、政策制度の枠組みだけでなく、移住者や地域住民のリアルな体験から学びを深めることができました。

空き家を改修した天竜峡の「HIGASA」での説明

遠山郷で地域おこし協力隊へのヒアリング





 以下は、参加した学生からの感想です。
  • 他大学の学生や地元高校生と行ったフィールドスタディは、普段の授業では味わえない刺激的な学びの連続だった。インタビューや体験を通して人の温かさやつながりを実感し、飯田の皆さんに「また会いたい」と思えた、学びだけでなく人との関わり方の大切さを感じることができた6日間だった。(濱谷さん)
  • フィールドスタディでは、その土地に住む現地の高校生の視点や他大学の学生の様々な考えを交えながら、飯田市の活動について深く学べたため、とても貴重な経験となった。近年、各地で地域の人々の交流は薄くなっているが、飯田の人々は人との繋がりを大切にしているからこそ、たくさんの活動が行われているのだと現地で学ぶことができた。(畑さん)
  • この夏、南信州プロジェクトに参加できたことは、私にとって有意義で多くの学びを得ることのできるものでした。飯田市の文化を守る強い思い、人とのつながりから生まれる移住のサイクル、ソーシャルキャピタルを発端とした市民活動など、これらはただのキーワードにしかすぎませんが、文献などを読んでいるだけでは得られないことを現地で肌に感じながら学ぶことができました。また、他大学の学生や現地の高校生とのグループワークが基本となるので、普段の大学生活では得られない刺激をもらうこともできました。このように、南信州プロジェクトは、普段の座学とは一味違ったことを学べる良い機会であったと私は、思います。(壽さん)
  • 飯田市での調査を通じて学んだことは、「人とのつながり」の重要性である。飯田市では、困っている人がいれば、その分野に詳しい人が知人の紹介で支援する事例が見られた。こうした「人とのつながり」が市全体の活気を生み出しているのだと考える。(早瀬さん) 
  • 学輪フィールドスタディ、飯田市での独自調査どちらにおいても有意義な時間を過ごせました。文献を読むだけでは得られない知識がつくだけでなく、グループでひとつの目標に取り組む難しさや楽しさといった今後の社会生活に活かせるような経験ができる機会だと思います。(田中さん)


今回の調査にご協力いただいた多くの方々に心から感謝申し上げます。秋学期の授業では、これらの調査結果を踏まえて研究成果を発表し、報告書をまとめていく予定です。

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旧木沢小学校(遠山郷)


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