2024年度 第2回平和主義研究会のお知らせ
『平和権に関する韓国の最新の議論状況について;MOMO平和大学「平和権」参加後記』
「The Right to peace」は韓国では「平和権」というやや包括的な概念として定義付けられている。 市民団体による市民運動としての議論にとどまったこの「平和権」に関する議論は、21世紀に入ってから韓国軍のイラク派兵問題、米軍基地問題、良心的兵役拒否問題など、憲法裁判所でこの「平和権」という概念と関連した判例が出てきたことで、韓国の学界でもより多様に議論されるようになった。ところが、今日においてはジェンダーとメディア、エコサイドとAIを平和権と結びつける議論までその範囲が拡大している。
今回の2024年度第2回平和主義研究会では、報告者が韓国の平和市民団体の一つである「PEACE MOMO」で主催した「MOMO平和大学秋学期―平和権」に参加し、そこで学んで議論した内容を本研究会に参加する皆さんと共に共有して討論したいと思う。 そして、指定討論者としては兵役拒否を主なテーマとして研究されており、報告者が研究分担者として加わっていたドイツ·韓国の兵役拒否者/運動比較研究-立憲主義的観点から-(21K01338)の研究代表を歴任された京都女子大学の市川ひろみ先生をお招きする。報告者は特に、「軍事的抑止力」に基づく従来の安全保障論ではなく、「軍縮」に基づく東アジアのいわゆる「新たな安全保障論」の可能性を、この「平和権」に係る議論に結び付けていく方策について模索していきたいと考えているが、今回の研究会を通じて、日韓の平和議論、ひいては東アジアの平和議論を一層グレードアップさせることに少しでも貢献できることを願う。
日時: 2025年3月8日(土)13:30-17:00
場所: 立命館大学衣笠キャンパス 清心館SE206教室
オンライン(Zoom)
Zoom 情報
https://us02web.zoom.us/j/82703941128
Zoom ID: 827 0394 1128
パスコード: 452336
報告者:シン・ヒョンオ(立命館大学 国際地域研究所 客員協力研究員、立命館大学 国際関係学部 授業担当講師)
討論者:市川 ひろみ(京都女子大学 法学部 教授)
司会者: 野島 大輔(立命館大学 国際地域研究所 客員協力研究員、元・私立国際学校教員)
主催: 立命館大学国際地域研究所 平和主義研究会
共催: 科研「ドイツ・韓国における兵役拒否者/運動の比較研究 -立憲主義的観点から-」(21K01338)
お問い合わせ先:hyunoh80@fc.ritsumei.ac.jp