【開催報告】スポーツサイエンスのニューノーマル

2024.08.06
お知らせ

スポーツ健康科学総合研究所主催シンポジウムを開催しました。

2024719日(金)立命館大学びわこ・くさつキャンパスにおいてスポーツ健康科学総合研究所・スポーツ庁委託事業「先端的スポーツ医・科学研究推進事業」ハイパフォーマンス・アスリート極限支援研究拠点主催シンポジウム「スポーツサイエンスのニューノーマル」を開催しました。開催当日は現地参加54名、オンライン参加141名、合計195名の方々にご参加いただきました。


最初に長積仁(立命館大学スポーツ健康科学部 学部長)による開会挨拶を行いました。立命館大学、またスポーツ健康科学部、研究科におけるスポーツ科学や研究の発展を掲げ、我々は研究を進めており、あわせて本事業の説明や重要性をお伝えしながら、若手人材育成にフォーカスした本シンポジウムの趣旨をご紹介しました。

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講演「スポーツ科学の研究と現場指導からみる走運動」

司会: 橋本健志(立命館大学スポーツ健康科学部 教授

    牧野晃宗(立命館大学総合科学技術研究機構 専門研究員


スポーツ科学の研究と現場指導からみる走運動をテーマに、高尾憲司先生(株式会社ブルーミング代表、株式会社ワコール(ワコール女子陸上競技部チームディレクター))より長距離の事例、貴嶋孝太先生(大阪体育大学 スポーツ科学部 准教授)より短距離の事例から講演いただきました。高尾先生からは、長距離走におけるスプリント能力の重要性、貴嶋先生からはトップスピード、骨盤の動きがカギとなる可能性を絡めた走動作について、実験、データ、先行研究に基づいてお話しいただきました。

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パネルディスカッション

高尾憲司先生貴嶋孝太先生に加え、安藤良介先生(HPSC/JISS* スポーツ科学研究部門 研究員)にもご参加いただき、パネルディスカッションを行いました。安藤先生は、日本のハイパフォーマンススポーツにおける最先端施設で研究をされていることから、トレーニング量を最小化したい、という現場の声を受けてトレーニングプログラムを考えられ、それを高尾先生のトレーニングと共に検証された事例を紹介されながら、新たな知見を実証してくためには研究者と競技現場の協力関係が重要であるというお話をいただきました。その他にも現場や研究、専門分野以外の観点から先生方のディスカッションが行われ、非常に高いレベルでの意見交換となりました。

*HPSC:ハイパフォーマンススポーツセンター / JISS:国立スポーツ科学センター)

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講演「骨格筋の量と質の科学」 〜トレーニングとコンディショニングの最前線〜

骨格筋の量と質の科学〜トレーニングとコンディショニングの最前線〜をテーマに、前大純朗(立命館大学 スポーツ健康科学部 助教)より筋量の観点から、宮本直和先生(順天堂大学 スポーツ健康科学部 先任准教授)より筋質、筋機能の観点から講演いただきました。前大より股関節の筋形態やトレーニングについて、筋肥大だけでなく走行能力の向上の結果、スポーツ健康科学部棟の廊下を使用した実験の紹介、宮本先生より、超音波装置を使用して筋のスティフネスを計測する方法や、従来言われているトレーニング、コンディショニングの検証についてお話しいただきました。

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最後に、本事業における試合部会長の長野明紀(立命館大学スポーツ健康科学部 教授)より、挨拶を行いました。大学で行う研究と競技レベルの高い現場を競技力としていかに繋げていくか、という本事業の背景に触れながら、本シンポジウムはそれをまさに体現するものとなり、参加者の皆様、各機関への御礼をお伝えしました。

先端的ハイパフォーマンス・アスリート支援、またその支援における研究を担いその研究成果が現場に実装されるように推進する、中心的な若手人材 (ハイパフォーマンス・コア・サイエンティスト)の育成・養成に焦点をあてながら、今後もスポーツ庁、HPSC、そして筑波大学、順天堂大学を含めた様々な団体と連携し、成果を社会に還元するよう努めてまいります。

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