今回はグローバル教養学部 准教授のチャプコヴァー・ヘレナ先生の今を追いかけます!
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プラハからロンドン、そして日本へ
立命館大学に所属するまでの経歴を教えてください。
CAPKOVA:プラハ出身の若手美術史家として、ロンドンで8年間を過ごし、博士号を取得しました。博士課程では日本で研究できる奨学金制度があり、6か月間日本で過ごしました。日本の研究をしていたことにより、その後早稲田大学で10年間教鞭をとることになりました。
立命館大学を選んだ理由はなんですか?
CAPKOVA:私の立命館でのキャリアは、グローバル教養学部の創設とともに始まりました。以前は早稲田大学のSILS(国際教養学部)で教えており、この新たな取り組みに貢献できると感じました。
実際に立命館大学で働いてみて、雰囲気などはいかがですか?
CAPKOVA:私の授業では、リラックスしつつ刺激的な対話型の学びの場を作るよう心がけています。学生も教員も、国際的かつ多言語的な教育・経験を楽しんでいると感じています。
「なぜ」「どうやって」を問うトランスナショナル研究
インタビュー当時(2019年)から現在に至るまでの研究の進捗や成果を教えてください。
CAPKOVA:2019年以降、研究面で大きな進展を遂げています。3冊の出版を行い、国内外で講演や学会発表を行いました。2019年に、戦後の日本におけるアントニン・レーモンドの建築活動を詳細に探った英日バイリンガルの出版物を刊行しました。また、「我楽他宗(がらくたしゅう)」に関する研究も引き続き成果を上げており、2024年に研究チームとともに三田平凡寺に関する日本語の書籍をまとめました。そして、2025年にはチェコの建築史家ラディスラフ・ジャクソン氏と共著で、チェコ建築の創始者ヤン・コチェラを国際的に紹介する英語の書籍を出版しました。
ここが自分の研究の面白いところ!などオリジナリティを教えてください。
CAPKOVA:私の研究は本質的に学際的でトランスナショナル、かつ多言語を駆使しています。
トランスナショナル研究は比較研究とは違うのですか?
CAPKOVA:大きな違いがあります。トランスナショナル研究では、ハイブリディティ(混成性)に焦点を当てます。比較研究は2つ以上を比較する方法ですが、トランスナショナルは比較ではなく、異なる国籍や影響の混成プロセスを調査するものです。類似点もありますが、もっと「なぜ」「どうやって」何が起こったのかを問う研究です。例えば、東京の築地にある聖路加国際病院は、今の時代の建物には見えない不思議な建物です。トランスナショナル研究では、なぜこのような建物があるのかを問い、その背後にある人々の特異なキャリアパスや歴史を調査します。実際にこの建物について多く調査し、とても面白い話があることがわかりました。地域研究や比較研究の方法では見つけられない話です。私の研究はかなりユニークです。そしてこの方法を使えるのは、私自身が特殊な経験を積んでいて、英語、日本語、フランス語など5~6言語を話し、学んでいるからともいえます。
研究を進める過程での、苦労や壁にぶつかることはありましたか?
CAPKOVA:研究には、常に多くの障害や複雑さがつきものです。というのも、研究とは本質的に“新しいものを発見する旅”ですから、予期せぬ方向に進むことが多く、計画通りに進まないことがほとんどなんです。 また、言語に関する課題も大きいですね。複数の言語を使って研究を進めているので、どの言語で成果を発表するかという判断は、毎回悩ましいところです。
立命館大学で交流のある先生はいますか?
CAPKOVA:同じ学部のトゥニ・クリストフ先生と共同研究を行っており、学会にも一緒に参加しています。現在は、日本の都市計画家・建築家である今和次郎の英語文献集の編纂を進めています。また、アート・リサーチセンターの同僚とも交流があります。
研究者を目指す大学院生や若手研究者にむけて研究者になることの魅力を教えてください!
CAPKOVA:新しいつながりや理解、資料などを発見できたときは、知の世界に何かしらの変化をもたらせたという実感がありますし、それは本当に嬉しい瞬間です。研究者として、そうした発見に出会えることは、何よりの喜びだと思います。
最後に研究についてこれからの展望をおきかせください。
CAPKOVA:今新しい本の準備も進めています。もっと本を書いて、もっと講演をしたいです!
複数の言語を使用しトランスナショナル研究を行っているヘレナ先生。新しい本の出版や講演の予定も決まっているそうです。先生のこれからのご活躍にますます注目です!
ヘレナ先生ありがとうございました!