[特集]+Rな人 稲垣正司さん(1996年産業社会学部卒業)シルク・ドゥ・ソレイユ「ZED」のプロバトントワラー
2011年9月12日更新
![]() 稲垣正司さん(1996年産業社会学部卒業)シルク・ドゥ・ソレイユ「ZED」のプロバトントワラー |
Episode #1 「バトントワリング」を知ってもらいたい![]() 6歳の時に姉が習っていたバトントワリングに興味を持ち、そこからスクールに通って、練習を重ねてきました。立命館大学に入学後、その経験を活かそうと思いましたが、当初はバトントワリングの部活もサークルもありませんでした。普段はスクールの方に通っていたこともあり、バトンに興味のある仲間たちと、息抜き程度に楽しめるようなサークルを立ち上げました。その頃は屋外で週1回ほど、練習をしていましたね。部員も10人ほどでした。しかし、続けているうちに、もっと多くの人にバトントワリングを知ってもらいたいと思い、学園祭で飛び入り公演を行いました。結果は大成功! その時に今まで感じたことのなかった「自分たちで一から作り上げてきたものが、一つの形を成すこと」への達成感を得ました。またバトンをしたいと思って入学してくる後輩にチャンスをあげたい気持ちから、サークルを立ち上げてから3年目。ようやくバトン連盟に登録し、大会などにも出場するようになりました。 その後、メディアに私自身、取材していただく機会もあり、バトントワリングのことを多くの方に知ってもらえるようになりました。その頃には、学内の体育館を使って練習できるまでになり、練習も週3~4回に増やして本格的に活動していましたね。 Episode #2 パフォーマーとして続けていく難しさ![]() 大学卒業後は、フリーとして各地を回って仕事をしながら、大学の後輩の指導に力を入れていました。そんな時、もともと興味のあった「シルク・ドゥ・ソレイユ」が東京に専用の劇場をオープンさせる事を知りました。また、そのショーのために、男性バトントワラーを採用するという情報も得て、これはバトンをより多くの人に知ってもらえる絶好の機会だと思い、自分の演技ビデオをシルク・ドゥ・ソレイユへ送りました。 2006年の冬、カナダのモントリオールで行われたオーディションに呼ばれ、結果、見事合格をいただき、2008年8月の「ZED」オープンからパフォーマーの一員として演技をしています。 最初は、シルク・ドゥ・ソレイユの中に、バトントワリングを専門的に分かる人がいなかったため、バトントワリングとは何か?というところから、技術の基礎知識に至るまでを、ショーの制作者に伝えていくところから始まりました。これにはとても苦労しました。 ZEDのショーは週7~8回、多い時には10回にもなります。約1時間半のショーを1日2回公演する時もありますね。今までに950回ほど出演しています。代役がいないため、ノロウィルスにかかった時も舞台に立ちましたしね(笑)。 ![]() Episode #3 パフォーマーとして、指導者としてできることを![]() バトントワリングの魅力は、自分の身体とバトンという一本の棒を使って様々な表現ができることですね。例えば、バトンを回しながら、様々な直線や曲線を描いたり、強弱をつけて操ることで心の喜怒哀楽を表現することができます。自分がバトンと一体になることで感情や動きの芸術性を生み出せることが大きな魅力だと思います。 今も、ZEDの出演と後輩の指導をメインにしていますが、それぞれの取り組みに対しての意識は全然違います。ショーでは、自分がこれまで積み上げてきたものを、1人のアーティストとして演技し、夢の舞台で多くの人に見てもらえる嬉しさを感じますね。 Episode #4 続けていくことの大切さ![]() これからの目標は、「今、続けていることを、長く続けていくこと」。
ZEDのアーティストとして、日々の健康に気をつけ1日1日のショーを大切にしながら続けていく。指導者としても、学生たちに大学生活という短い4年間をバトンと共に充実して過ごしてもらえるように熱心に教え続けていく。 在学生のみなさんには、自分の目の前にあることに一生懸命になって取り組んでもらいたいです。自分が本気になって取り組んだことは、たとえその時に結果が出なくても、後にどこかで必ず活きてくるもの。 |