立命館大学
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+Rな人 河田直也さん(1999年政策科学部卒業)株式会社毎日放送(MBS)アナウンサー

明るく、親しみやすい人柄で多くのファンをもつ、㈱毎日放送のアナウンサー、河田直也さん(1999年 政策科学部卒業)。現在、情報番組『ちちんぷいぷい』や、ラジオ『うきうき土曜リクエスト』などで活躍中です。また、昨年は、同局開局60周年にあわせて企画された「河田直也の60日間ほぼ世界一周 昔の人は偉かったザ・ワールド」で18カ国を訪問されました。「立命館大学で過ごした4年間はとても分厚くて濃かったです!」という河田さんに、学生時代のことから今のアナウンサーという仕事、世界一周の旅までたっぷりお話を伺いました。

宝探しの4年間 失敗を恐れず挑戦を!

河田直也さん(1999年政策科学部卒業)株式会社毎日放送(MBS)アナウンサー
Q どのような大学生活を過ごされましたか。
河田さん 学生時代はごくごく一般的な学生でした。真面目ではなかったですね(笑)。
ラグビーの同好会と学部の友人と一緒につくったサッカーサークルに所属したり、アルバイトをしたり…。すごく当たり前で普通のことばかりなんですけど、ここでの経験を通して、「人間関係の築き方」や「人とのつながりの大切さ」を学ぶことができました。今の自分の「基礎」になっていますね。大学は学問を学ぶだけではなく、いろんな経験を積む場所だったなと、今は感じています。
Q 「大学時代の学びが今の仕事に活かされているな」と感じることはありますか。
河田さん アナウンサーの仕事はニュース原稿を読んだり、レポートをしたりと、一人で完結する仕事だと思われがちですが、ひとつの番組をつくりあげるのには多くの人が関わっています。その大きなチームの一員として、「どうように動くか」ということに学生時代の学びや経験が活かされていると感じています。
Q アナウンサーを目指したきっかけを教えてください。
河田さん 昔からアナウンサーを目指していたわけではなく、就職活動中に、いろんな業界を見ていく中で、放送業界に興味をもったことがきっかけでした。特にアナウンサーは自分で「伝える」ことができる仕事。もともとスポーツが好きで、スポーツに携わる仕事がしたいとも思っていたので、スポーツの実況や解説を行うアナウンサーになれればと考え、アナウンサー試験に挑戦しました。
河田直也さん(1999年政策科学部卒業)株式会社毎日放送(MBS)アナウンサー
Q これまで仕事をされてきた中で忘れられないことを教えてください。
河田さん 私は、『ちちんぷいぷい』でさまざまな場所から中継をしています。ある時、番組の視聴者の方からお手紙が届きました。その方は、身体が不自由でベッドの上で生活をされていたんです。手紙には、「私は歩けないけど、河田さんの中継をみていると、一緒に連れて行ってもらっているような気持ちになるんです。ありがとうございます。」と書いてありました。そういう気持ちで番組を見てくださっている方がいるんだと知り、本当に嬉しかったですね。それと同時に、「放送の仕事って素晴らしい!」と改めて思いました。今後も、視聴者の方に楽しんで頂けるような番組づくりを心がけていきたいと思います。
Q アナウンサーにとって大切なことは何ですか。
河田さん アナウンサーだけに限らないと思うのですが、“常にアンテナを張っていること”はとても大切だと思います。今、自分はどんなことに興味があるか、人は何に興味があるか、世間はどんなことに関心があるかを気にしておくことが必要だと思います。あとは“フットワーク”。行動力ですね。「これ面白そうだな」ということにはすぐにアクションを起こせるようにしておく。例えば、「近所にすごくおいしそうなラーメン屋さんができて、行列ができているらしい。じゃあ、並んでみよう!」という些細なことでもいいんです。興味を持って自分で動けるということが大切だと思います。
河田直也さん(1999年政策科学部卒業)株式会社毎日放送(MBS)アナウンサー
Q 昨年挑戦された、「60日間ほぼ世界一周」。どんな毎日だったのでしょうか。
河田さん 60日間、ほぼ毎日『ちちんぷいぷい』の中継をして、合間にロケをして…その繰り返し。日本とは時差もありますし、その日その日が精一杯で、体力的にも大変でした。しかし、今まで立つことのなかったポジションで仕事ができたというのは、財産だと感じています。例えば、普段アナウンサーがVTRをつくることはないのですが、世界一周をしている時は、そこまで立ち入らなければなりませんでした。求められていることを、どのような形で放送するか・・・いつも考えていました。
Q 一番印象に残っている国はありますか。
河田さん ネパールでのエベレスト登山です。標高2,800メートルまでは飛行機で移動できるのですが、その先は歩かなければいけません。標高3,800メートルまでの登山は厳しかったです。高度が高くて息苦しい上に、足場が悪く、途中で雨が降ってカメラも壊れ…(笑)。
普段ではあり得ないのですが、デジタルカメラで撮影をして切り抜けることもありました。普通の放送ではある程度レールがあり、そこにどううまく乗ることができるかがポイントですが、この旅の中では、そのレールがほとんどない状態。自分でレールを敷いて走らなければならない。これから先、レールが外れているところを乗り越えていかなければならない時に、この経験は活きてくると思います。
Q 世界一周の旅を終えて、どんなことを感じられましたか。
河田さん 世界にはさまざまな環境があります。その中で、今の自分の生活がいかに恵まれているかということを肌で感じました。また、さまざまな環境でさまざまな生活スタイルで生きる人がいるからこそ、自分の発信することが人を傷つけてしまうこともあるということを改めて考えました。放送に携わる者の責任をさらに強く感じましたね。
また、旅をする中で多くの大学生に出会いました。時間が自由に使える時だからこそ、大学時代にはいろんな場所を訪れてほしいと思いましたね。海外だけでなく国内でもいいと思うんです。行ったことのない場所を訪れて、その土地のものを食べて、そこに住む人たちと触れ合う…一歩踏み出す勇気をもって、学生のうちにしかできないことに、若さと時間を使って欲しいと思います。
社会人になってしまうと、「今度、スペインでトマト祭りがあるらしい!よし、行こう!」というのは、なかなか難しいですから…(笑)。
河田直也さん(1999年政策科学部卒業)株式会社毎日放送(MBS)アナウンサー
Q 今後の目標を教えてください。
河田さん 今回の世界一周の旅の他にも、パンのプロデュースなど、本当にいろんな仕事をさせて頂いています。それは本当にありがたいことですし、今後もそれを経験として蓄積しながら、さまざまな仕事に挑戦したいですね。いずれは自分の番組を持って視聴者のみなさんに情報やメッセージを発信できる場をつかめたらいいなと思います。
Q 在学生にメッセージをお願いします。
河田さん 伝えたいことは2つです。ひとつは、“挑戦する気持ち”を忘れないでほしいということ。大学4年間は人生において、一番エネルギーがある時期。アルバイトでも資格を取ることでもボランティアでも、何にでもチャレンジしてもらいたいです。少々失敗しても挽回できるし、何度でも挑戦することができます。自分の可能性をどんどん広げてほしいですね。もうひとつは、“良い仲間を見つける”ということ。仲間がいることで、人生がもっと光輝くものになります。僕自身、大学では素敵な仲間に出会いました。卒業してからも変わらずいい関係が続いていますし、人生の過程を一緒に過ごせる仲間がいるということは素晴らしいことだと感じています。
Q 最後に…立命館大学を一言で表すと?
河田さん 僕自身立命館大学で過ごした4年間は、大切な場所であり時代でした。分厚くて濃い4年間。そんな大学での4年間を一言で表すと『宝探し』。宝物はいっぱい落ちています。頑張って探せば見つかるし、探さなければ見つけることはできない。自分次第でいくらでも光り輝く宝物を得ることができると思います。
河田直也さん(1999年政策科学部卒業)株式会社毎日放送(MBS)アナウンサー
取材・文/前田裕美(産業社会学部4回生)