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10周年特別企画「本郷真紹先生と訪ねる鹿島神宮・香取神宮・息栖神社-古代の宗教文化に触れる」を実施

2023年10月29日(日)、立命館西園寺塾10周年特別企画 第1弾「本郷真紹先生と訪ねる鹿島神宮・香取神宮・息栖神社-古代の宗教文化に触れる」を実施しました。

 常陸(茨城県)の鹿島神宮と下総(千葉県)の香取神宮は、それぞれ武甕槌神(たけみかづち)と経津主神(ふつぬし)を主祭神をする、奈良時代以前から続く古社です。この両神は、国産みで知られる伊弉冉(いざなみ)尊の命を奪った火の神・軻遇突智(かぐつち)を、伊弉諾(いざなぎ)尊が十握剣(とつかのつるぎ)で斬り断った際に、剣についた血から生まれた神に由来します。ともに武神とされ、東国に鎮座して朝廷の護りとされましたが、中臣氏が常総地域に勢力を有したことから、奈良時代に藤原氏がこの両神を大和に勧請し、興福寺の東隣に春日大社を創祀します。奈良公園の鹿は、この時鹿島神宮から武甕槌神が鹿に乗って到来したことで、神の使いとして大切にされてきたもので、鹿島は奈良の鹿の故郷でもありました。 
 この二社に、武甕槌神(たけみかづち)と経津主神(ふつぬし)を葦原中国に誘ったと伝わる岐(くなど)神を主祭神とする息栖神社(茨城県)を加え、東国三社と総称されます。利根川の舟運を利用してこの三社を巡拝する「東国三社参り」が、伊勢神宮を参拝したのと同じご利益を授かる行事として、江戸時代に盛んとなりました。 
 今回のフィールドワークでは、この東国三社を順に巡り、大和との深い縁(えにし)に思いを馳せるとともに、江戸時代の「東国三社参り」を体験する貴重な機会となりました。

◆香取神宮231029_10syunen1_01
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◆息栖神社




◆鹿島神宮



【参加者のご感想】
◆7期生 鵜飼光美さん(SMBC日興証券株式会社)
 東国三社(鹿島神宮・香取神宮・息栖神社)は、直角二等辺三角形で結ばれた不思議な場所であり、古来より「神宮」の称を使うことができる数少ない場所です。
 本郷真紹先生より、関東以北の歴史、そして興福寺や春日大社との関わりなどご教授いただき、奈良のフィールドワークで学んでいたからこその感慨深さがありました。また、息栖神社の海に面した第一鳥居や、関東の地震を鎮める鹿島・香取神宮の要石など、この土地ならではの縁のものに触れることができました。
 また、厳かな鹿島神宮での正式参拝や天海尉之禰宜による本郷先生にも引けを取らない歴史解説など、10周年企画第一弾かつ初の関東でのフィールドワークにふさわしい、有意義な1日となりました。
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◆8期生 塩崎真理さん(ダッソー・システムズ株式会社)
 関東屈指のパワースポット東国三社。勝負運の神として有名な鹿島神宮には何度か詣っていても、他の二社までは廻れず、いつか行きたかった三社詣。今回、本郷真紹先生と行けるとは、なんてラッキーな。
 本郷先生や鹿島神宮の天海尉之禰宜のお話では、延喜式において神宮は、伊勢と鹿島・香取の三社のみ。それほど由緒がある二社がこの地にあるのは、古代から水運や防衛の要所だからだそう。一方、息栖神社は、霊泉といわれる井戸が、神社を移転しても付いてきたという不思議な処。また、きれいに二等辺三角形に配置されている三社は、どうやって場所を決めたのか!? そして廃仏毀釈や神仏習合のお話など、ワクワクと興味が尽きないフィールドワークでした。
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◆9期生 福井彰一さん(株式会社竹中工務店)
 今回、「古代関東の宗教文化に触れる」というテーマのもと、フィールドワークを企画いただいたことに感謝申し上げたいと思います。
 私が「関東における古代」に関心を持った理由は、日本史における古代はそのほとんどが奈良・京都を中心とした内容で、関東における古代を理解する機会がなかったからです。この西園寺塾で奈良のフィールドワークに参加し、学びを深める中で、ますます関東における古代への関心が高まりました。
 歴史的経緯や神話、地理的背景に加え、地政学的情勢を盛り込まれつつ、本郷真紹先生のいつもの語り口で、瑞々しい物語が紡がれました。
 秋の好天のもと、古代関東と結びつくきっかけをいただいた実りある1日となりました。
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