散乱光指紋センサの原理は,光源を点灯させて,導光板の端部から斜めに光を入射させる.この光は,導光板と空気との界面で全反射を繰り返して導光板の内部を伝搬する.導光板に指の隆線が接触している場所では,接触面で光が散乱されて,指内部へ行く光とそのまま2次元イメージセンサへ行く光が存在する.指内部へ行く光は,指内部でも散乱されて2次元イメージセンサへ行く光が存在する.また,指の谷線の場所では,谷線と導光板の間に空気層が存在するため,空気との界面で全反射する.このような動作により得られた散乱光を結像光学系により2次元イメージセンサに結像すれば,隆線の強調された指紋画像を得ることができる
 現在,パソコンや携帯電話でパスワードの代替を目的とした指紋認証システムが実用化されている.このような指紋認証システムが一般的に広く普及すれば,電子商取引,電子政府,等の新しいサービスの普及,インターネット等での情報犯罪の抑止,空港や原子炉等の施設でのテロ防止,等の効果が期待される.しかし,指紋認証システムを使用した製品には,現状として,偽指等の偽造物に対して脆弱であるという事実もある.そこで,本研究の目的は,偽指対策の可能性の一つとして,一連の指紋入力動作における指紋画像の面積と色の変化に注目し,その変化量に基づく生体識別方法を提案することを目的としている

散乱光指紋センサの構成

生体識別アルゴリズム

指の色変化

現在の研究テーマ

back


2005年度