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<研究テーマ> リチウムイオン蓄電池劣化および安全性シミュレーション技術

 

1.背景と目的

 個々のセルの劣化現象を把握することも重要ですが、実際の蓄電池システムは、EV用や据置として直並列接続の組電池として構成し、使用状態での充放電動作や発熱、劣化をシミュレートすることが求められます.また、現在の劣化状態だけでなく、残寿命の予測や、どのような使い方をすれば、電池寿命を延ばせるかの検討も重要です.

 

2.特徴と成果

  組蓄電池内のセルごとの温度分布やSOC(蓄電残量)、FCC(蓄電容量)分布に基づき、動的に組蓄電池の劣化状態の検証を目的として、熱回路法による温度分布の計算、組蓄電池の電流、SOC、およびFCCの計算を組み合わせて、劣化シミュレータを構築します.また、実際の劣化現象を測定(キャリブレーション)し、シミュレータに反映させる(特性抽出)ことも同時に進めます.蓄電池劣化シミュレータは、セル劣化モデルとモジュールやシステムレベルの劣化現象を結びつけるために重要な技術です.

 

MATLABを使ったリチウムイオン蓄電池劣化シミュレーション画面(イメージ)

 

リチウムイオン蓄電池劣化シミュレーション手順

 

3.今後の展開

  蓄電池劣化シミュレータは、仮説を多く含むセル劣化モデルの検証用としても重要であり、劣化モデルの高精度化のためにも使用します.また、劣化現象をビジュアルに把握できるため、教育用としても有用です.我々は、劣化シミュレータを進化する知識の集約システムとして使います.さらに、劣化状態と安全性は密接な関連性を持っており、劣化と安全性の検証システムとしての発展も進めます.