〜主な研究装置の紹介〜

ECR-MBE ECR-MBE

この装置は高真空中で低エネルギーで高密度のプラズマを発生することのできる ECR(電子サイクロトロン共鳴:Electron Cyclotron Resonance)プラズマ源と 膜厚制御や急峻な界面の形成に優れたMBE(分子線エピタキシー:Molecular Beam Epitaxy)装置とを組み合わせた、独自の設計により作製したECR-MBE装置です。
本研究室ではこの装置でIII族窒化物半導体の結晶成長を行っています。


RF-MBE RF-MBE

RF-MBE法とは、成長原料を分子線および13.56 Mhzの高周波(Radio Frequency)放電によって生成されたRFプラズマの形で加熱された基板に供給する事により、 単結晶薄膜を成長させる技術です。
本装置では、III族源としてAl、Ga、Inの固体を用いています。またV族源として窒素をRFプラズマの状態で結晶成長に用いている為、 通常のMBE法よりもプラズマの励起エネルギー分だけ低温成長をすることが可能であり、熱膨張係数差による欠陥の発生や、 成長させた膜(特にInN膜)の熱的分解を抑える事が可能です。


SEM CL SEM・CL
※共同利用装置

SEM・CLでは試料に電子線を照射し、発生する2次電子(SEM)や光(CL)を検出します。
この装置はSEM・CL一体型で、SEM観察とCL観察が同一場所で同時にできるという特徴をもっています。
この装置では、作成した試料の極微構造や極微領域の発光特性を観察することができます。


PL PL

フォトルミネッセンス(Photoluminescence, PL)とは、試料に禁制帯幅より大きいエネルギーの光を照射して発光させる方法です。
この装置では、この現象を利用して、作成した試料の光学的評価を行っています。
半導体試料のバンドギャップ、欠陥や不純物に関連した発光を検出することができ、試料のバンド構造や結晶性について知ることができます。


TEM TEM
※共同利用装置

TEM(透過電子顕微鏡)とは電子線を用いた顕微鏡の一つで、原理は光学顕微鏡と同じです。
つまり、透過電子顕微鏡では可視光線の代わりに電子線が使われ,光学レンズの代わりに電場あるいは磁場を利用した電子レンズが用いられているということです。
分解能(二つの点が二つの点として見分けられる最小の距離)は、個々の原子のサイズに相当する1〜2Åになり、微細な物質の構造や転位等の結晶欠陥が観察できます。


XPS XPS

X線光電子分光法(XPS)はX線を試料に入射させ、光電効果によって放出された電子の運動エネルギー分布を測定し、各準位にある電子の結合エネルギーを評価する方法です。
それによって、表面・界面に存在する元素の種類や組成の決定や、内殻準位からのシフト(ケミカルシフト)より結合状態に関する情報が得ることが出来ます。


XRD XRD
※共同利用装置

半導体薄膜の「結晶性評価」「格子定数測定」および「結晶内部の歪み測定」を行うことができる評価装置です。
結晶品質向上は、そのまま半導体薄膜の電気的、光学的特性向上にもつながるため、非常に重要な評価装置であるといえます。


ECV Profire ECV プロファイラー

ECVプロファイラーは電解液(硫酸等)をショットキー電極とし、 C-V測定からキャリア濃度を求める事と結晶のエッチングを同時に行い、 結晶成長方向のキャリアの密度分布がどのようになっているか調べる装置です。


AFM&STM AFM・STM

AFM(Atomic Force Microscopy)は探針と試料間の微小な引力、斥力を主なパラメーターとして走査し解析する装置です。
半導体デバイスを作成する上で表面の原子レベルの平坦性は重要になるので、この装置を用いて試料表面の粗さを測定します。


Hall effect measurement ホール効果測定装置

ホール効果測定装置は、半導体に磁場を加えた状態で電流を流すときにおきる現象(ホール効果)を利用した装置で、半導体の電気的特性を測定することができます。
この装置からは移動度、キャリア密度といった電気的特性を測定することができ、これらのデータは電子デバイスの作製の上で非常に重要となります。