概要
光の特性を活かした物質制御と計算イメージング
光は、情報通信、エレクトロニクス、エネルギー、医療分野において重要な技術基盤です。当研究室では、光を情報媒体として利用する光情報工学に関する学際的な教育、研究を進めています。
(1)生体・細胞を可視化するバイオイメージング
生体組織の構造や特性を高速で観察する必要性が求められています。細胞の形を見たい、重なった3次元の細胞を見たい、細胞の動き、機能、成分などを知りたいというニーズがあります。細胞は通常の光学顕微鏡では見えにくいため、強度輸送方程式を用いた定量位相差顕微鏡による画像取得と光伝搬計算を用いて、無染色で透明な細胞の3次元位相イメージングの研究を進めています。また、蛍光イメージングにより,細胞や細胞小器官の動態解析と化学的情報を取得する機能イメージングを試みています。さらに、機械学習を用いた顕微鏡の構築を進めています。
(2)散乱イメージング
光学と画像処理を融合した新しいイメージング技術に取り組んでいます。生体内部、霧の中、壁の向こう側など直接見えないところを見る技術や被写界深度の拡大など従来の光学系で対処できないことがあります。ディープラーニング、デコンボリューション法、自己相関法などの画像再構成技術により、すりガラスや散乱媒質の奥にある物体の3次元形状や分光情報を取得しています。生体などの散乱媒質の奥にある構造の可視化や曲がり角の奥のイメージングへの展開を計画しています。
(3)フェムト秒レーザー加工
モノづくりにおいて、製造工程の脱炭素化や知的な加工が必要となっており、レーザー加工が注目を浴びています。レーザーを使用して材料特性を局所的に調整し、デバイスを作製する研究を進めています。レーザー加工により、ガラスや金属表面への撥水性加工、微細穴加工、転写加工を実施しています。また、ガラスや樹脂などの透明材料内部もしくは表面に、光学的、電気的、力学的な機能を持つ微小な構造を自由自在に作製し、センシングデバイスの作製を進めています。
光学技術、レーザー技術、画像処理技術を用いてIoTやヘルスケアに貢献することを目指します。
新着情報
2025年7月21日update
研究室見学
B3の学生さんへ。
研究室見学の希望はいつでも連絡してください。7月、8月、9月の見学も可能です。 研究の紹介、実験室の見学、研究室の先輩との交流を予定しています。