廃棄物とリサイクル


  1. 廃棄物とは何か
    1. 市場価値と個人的評価

    2. 商品寿命と滞留時間
    3. 経済力と時間の価値
  2. 廃棄物の(法律上の)分類
    ◎ここでは、環境省管轄の廃棄物
    ◎文部科学省管轄の放射性廃棄物は別
    1. 産業廃棄物
      ★収集・処分とも事業主体に責任
      1. 事業活動に伴う19項目
        燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残査、ゴムくず、金属くず、ガラス及び陶磁器くず、鉱さい、建設廃材、動物ふん尿、動物死体、ばいじん類、上記18種類の産業廃棄物を処分するために処理したもの
      2. 特別管理産業廃棄物
        燃焼しやすい廃油、著しい腐食性を有する廃酸及び廃アルカリ、感染性廃棄物、廃PCB及びPCB汚染物、廃石綿等、その他有害廃棄物を含むおそれのある廃棄物
    2. 一般廃棄物
      ★収集・処分とも自治体に責任
      1. 事業系&生活系
      2. ごみ&し尿・生活排水

      3. 収集&持ち込み
      4. 特別管理一般廃棄物
  3. 一般廃棄物の流れ
    1. 発生・排出と収集
      ★年間約5千万トン→1人1日約1kg

    2. 中間処理
      1. 焼却処理
        ★一般廃棄物5千万トンの75%を焼却
        ★焼却により、重量で約6分の1、
               容積10〜20分の1
           →処分場の寿命延長
        全国に約二千カ所の焼却場
        余熱利用+サービス施設
      2. 粗大ごみ資源化
        有価物の回収
        重量、容積とも約4分の1に圧縮
        全国に約600カ所
      3. 堆肥化
        低い効率&需要の低迷
        全国に二十数カ所
    3. 最終処分
      サンドイッチ型の埋立処分
      ごみ3m/土50cm
  4. 一般廃棄物のリサイクル

    1. 包装容器類とリサイクル

      1. 資源循環をめぐる社会変化
        ◎21世紀初頭をめどに廃棄物行政の画期的な転換をめざす。
        ◎生産者、流通業者など事業者に加えて、消費者への責任負担を法制化する。
        ◎飲料容器については、材料の消費から廃棄までのライフサイクルが平均して数週間ほどであり、他の用途と比較して極端に短い。このため、1個あたりの素材使用量は少なくても省資源・省エネルギーの観点から重要である。
        ◎飲料容器缶の生産量は年間300億缶を越えており、自動販売機の数も250万台にのぼる。
        1. 容器包装リサイクル法
          ◎総合的なリサイクル法は1991制定
          ◎1997年度から段階的施行
          ◎明確な役割分担
           1)消費者による分別排出
           2)市町村による分別収集
           3)事業者による再商品化
          ◎企業への新たなコスト負担と、商品価格へのはねかえりによる消費者の負担
          ◎1000億円程度と試算される企業負担は製品価格への転嫁を容認
          ◎主要な対象は、ビン、缶、紙パック、ペットボトルなど「再生技術が確立されている製品」であるが、その他プラスチック容器や紙製容器も対象
          ◎責任企業には、容器の製造者だけでなく、中身の製造者や小売業者も含まれるが、小規模事業者は免除
        2. 将来の責任分担と技術革新
          ◎ごみ全般、容器素材、中身など各種関連業界の調整と、中央省庁間利害調整
          ◎再商品化コストを誰がどれだけ負担するかについては、将来が不透明
          ◎特に、紙とプラスチックの再商品化を現状の経済システムに乗せるのは困難
          ◎各種リサイクル技術の革新への期待
      2. ガラスびんと輸送エネルギー
        ◎同じトラックで飲料を輸送するとき、ガラス容器よりもプラスチック容器の方が燃料が39%節約される。
      3. プラスチック素材=エネルギー
        ◎容器の肉薄化によって大幅な省エネになる。
      4. アルミニウム精錬のエネルギー
        ◎リサイクルの効果は最も大きい。
      5. 梱包材としての段ボール製造
        ◎特に、ガラスびんのリサイクルでは梱包・輸送方式の工夫が省エネ効果に大きく影響する。
      6. 食品用トレイ
        ◎紙よりも発砲スチロールの方が環境にやさしい?
        ◎使用済みの食品トレイがリサイクルにより再生トレイの原料となれば、原油使用量の抑制を評価することができるが、再生するために必要なエネルギー使用量は差し引かなければならない。
        ◎再生エネルギーには、回収に関わる輸送エネルギーも含まれ、再生工場の位置も重要になってくる。
        ◎輸送エネルギーには使用済みトレイの減容化がきいているので、粉砕方法なども考慮しなければならない。
        ◎食品用トレイのリサイクルには、資源・エネルギー問題だけではなく、埋立ごみの減量化にも効果が大きい。
    2. プラスチックのリサイクル
      ◎プラスチックは、多くの優れた特性によって工業製品、包装材料、日用雑貨などに広く利用され、年間1200万トンの生産量に達している。
      1. メカニカル・リサイクル
        〜樹脂としての再生利用
        ◎例えば、使用済みの食品トレイやプラスチックボトルを洗浄・粉砕して梱包材として再利用する。
      2. マテリアル・リサイクル
        〜原料としての再資源化
        ◎例えば、使用済みの食品トレイやプラスチックボトルを洗浄・粉砕した上で再処理・加工して他のプラスチック製品として再利用する。
      3. サーマル・リサイクル
        〜焼却回収されるエネルギー
        ◎10g以下のボトル等のプラスチック製品はサーマル・リサイクルの方がよい?(フランス)
    3. リサイクルに関わる問題点
      1. 目に見えないコストの評価
        ボランティア活動など
      2. 経済的インセンティブ
        ◎家庭内で負担する作業に対する報酬は?
      3. 適正規模〜地域スケールの問題
        ◎どの程度の地域内でリサイクルさせるのが効率的か?
  5. 産業廃棄物について
    ★一般廃棄物の 7〜8 倍の発生量
    ★再生利用40〜50%★中間処理で減量30%
     →★埋立処分は年間約1億トン

  6. 産業廃棄物の種類別排出量

  7. 最終処分場の問題
    1. 安定型埋立

    2. 管理型埋立

    3. 遮断型埋立

    4. 一般廃棄物最終処分場の残余容量

    5. 産業廃棄物最終処分場の残余容量

  8. 広域処分の問題
    廃棄物の越境移動
    バーゼル条約による国際的な制限