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主催:
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立命館大学建設会学生部会(建設環境系OB会の学生部門です)
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審査日:
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2004年11月19日(金)16:00~
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場所:
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イーストウィング3階 環境都市系演習室
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使用材料:
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スパゲティ、瞬間接着剤(いずれも支給)
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提出物:
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- 作品
- 概要説明書(どのような場所にかかる、どのような目的の橋で、何に注意して設計したか)
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設計条件:
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- 形式:自由。これからの時代にふさわしい橋梁を提案すること。
- 支間:40cm以上。連続橋の場合、最大支間40cm以上。
- 幅員:車道として想定する幅員6cm以上。
- 荷重:約800gを移動荷重として載荷することに耐えること。
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審査員:
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小林紘士、伊藤満、伊津野和行、八木康夫、小澤雄樹
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審査項目:
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機能性(想定した目的に適した構造か)、構造特性(力の流れに無理がないか)、
景観への配慮(想定した状況との関連で)、新規性(オリジナリティ)、模型の完成度(きれいな模型か)、
設計書の完成度(計算の正しさ等)
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審査概要:
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まず計測が行われ、次に各チームからプレゼンテーションがあった。いずれも、設計条件は満たしていた。

続いて小林先生からの構造力学的評価、八木先生からのデザイン的評価があり、最後に載荷を行った。
800gという荷重は、スパゲティを横に並べただけの単純梁の崩壊荷重を元に設定された値であるが、
構造デザイン研究室の作品以外はクリアした。採点結果、以下のようになり、表彰式が執り行われた。
優勝: 耐震研究室 「梓橋」

淀川にかかるレンズ型トラス橋。
すっきりとした橋梁で、構造に無理がない。耐荷力も十分にあった。
下の弦材にも曲げが作用しかねず、トラスというよりアーチに近い。
シンプルなところはよいが、シンプルすぎるきらいがあり、橋脚が斜めや垂直に上まで突き出るような勢いがあってもよい。
車などを置くのはよいアイデアだが、スケールに気をつける必要あり。
久しぶりの優勝!賞状、優勝カップ、副賞アイスクリーム券(3万円分)が送られた。
第2位: 橋梁研究室 「四季を感じる橋」

オーソドックスなトラス橋で無理がない。
これもトラスというよりアーチに近い。
主な荷重はアーチで受けることになるので、側面をもう少しスリムにすることができる。
支点をヒンジにした方が自然だろう。
車が入ってくるとき、トラスの入り口をゲートとして見えるようにし、
奥に吸い込まれるような感じで空間を認識させる工夫をすれば、
オーソドックスな中にも新しいものを提案できたのではないか。プレゼンは工夫されていた。
第3位: 構造デザイン研究室 「PLAY BRIDGE」

正四面体をユニットとして組み合わせた歩道橋。
遊び心のある橋で、目的と形態がうまく関連づけられている。
トラスというからには、荷重を格点で受ける必要があり、床版を格点からケーブルで支えるなどの工夫があればよかった。
もう少し構造部材を太くした方が現実的。たわみに伴ってねじれ振動が発生することを、逆に遊び心に訴えるとよかったかも
(古い吊り橋は揺れることで人気がある)。
一辺10mを想定すると、遊歩道としては人の視界からスケールアウトしてしまうのではないか。
ヒューマンスケールとの関係をよく考えることが必要。
デザイン賞: 構造研究室 「King Kobayashi Bridge」

埋立地を結ぶ連続橋の一部を模型にしたという直線的なトラス橋。
スパン長にしてはトラスが多すぎるし、一部トラスにならず四角形で構成されている部分がある。
また、あまりに重すぎる。最も荷重作用の大きいスパン中央が、最も弱い構造になってしまった。
航路を確保するため片持ち梁形式の可動橋にしたという説明でよかったかも。
水平方向がきれいに連続するところはきれい。
垂直か水平かデザイン的にメリハリを付け、側面をうまく処理する工夫があった方がよい。
今回は、参加賞的な意味合いもあるが、無骨さの中にある部分的な繊細さや、これからの発展性を評価してデザイン賞とする。
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審査結果:
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6項目各4点満点で採点し、4人の審査員の点数を合計した。結果は、1点差で耐震研の優勝となった。
項目
| 橋梁研
| 構造研
| 構造デザイン研
| 耐震研
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重量 (gf)
| 138
| 728
| 126
| 171
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スパン (mm)
| 440
| 410
| 440
| 480
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幅員 (mm)
| 65
| 90
| 60
| 65
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機能性(16点)
| 15
| 15
| 14
| 14
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構造特性(16点)
| 11
| 8
| 10
| 11
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景観への配慮(16点)
| 14
| 8
| 14
| 15
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新規性(16点)
| 7
| 10
| 15
| 11
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模型の完成度(16点)
| 16
| 16
| 13
| 14
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設計書(16点)
| 15
| 16
| 10
| 14
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合計(96点満点)
| 78
| 73
| 76
| 79
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順位
| 2位
| 4位
| 3位
| 1位
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- 来年度の予定
- 2005年10月後半に開催予定。テーマは未定。興味のある研究室はぜひ参加を。