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主催:
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立命館大学 建設会 学生部会(環境都市学系OB会の学生部門です)
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審査日:
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2010年11月19日(木)18:00~20:00
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場所:
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防災システムリサーチセンター3階 第5会議室
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使用材料:
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スパゲティ、瞬間接着剤
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提出物:
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- 作品
- 概要説明書(どのような場所にかかる、どのような目的の橋で、何に注意して設計したか)
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設計条件:
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- 形式:斜張橋。
- 支間:40cm以上。連続橋の場合、最大支間40cm以上。
- 幅員:車道として想定する幅員6cm以上。
- 荷重:約8Nを移動荷重として載荷することに耐えること。
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審査員:
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伊津野和行、大窪健之、野阪克義、張景耀
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審査項目:
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機能性(想定した目的に適した構造か)、構造特性(力の流れに無理がないか)、
景観への配慮(想定した状況との関連で)、新規性(オリジナリティ)、模型の完成度(きれいな模型か)、
設計書の完成度(計算の正しさ等)
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審査概要:
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まず計測が行われ、次に載荷を行った。
いずれも、設計条件は満たしていたが、8Nの載荷に耐えられなかった橋もあった。
なお、8Nという荷重は、スパゲティを横に並べただけの単純梁の崩壊荷重を元に
設定された値である。

各チームからプレゼンテーションがあり、続いて伊津野先生からの構造力学的評価、大窪先生からのデザイン的評価があった。
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審査結果:
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6項目各5点満点で採点し、4人の審査員の点数を合計した。採点結果は次のようになり、表彰式が執り行われた。
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全体講評:
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今回の作品はいろいろな発想でつくられているものが多く,それぞれ個性的な橋となっていた.
今回は斜張橋がテーマであったため,どの橋もタワーの形状・構造などへの工夫が見受けられた.
斜張橋の場合,移動荷重により桁の浮き上がり,ケーブル張力の変化などへの考慮が必要とされる点に注意が必要である.
採点結果のみでは同点で2チームが1位となったが,載荷に耐えられなかった2回生チームを2位とした.
今回のコンテストを通して,普段何気なく渡っている橋を,いろいろと興味を持って眺めるようになってもらえれば
幸いである.
項目
| 耐震工学研
| 橋梁工学研
| 構造デザイン研
| 流域デザイン研
| 2回生グループ
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重量 (gf)
| 192
| 114
| 630
| 280
| 242
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スパン (mm)
| 440
| 410
| 610
| 540
| 455
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幅員 (mm)
| 60
| 70
| 70
| 70
| 90
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機能性
| 18
| 11
| 13
| 13
| 13
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構造特性
| 13
| 11
| 13
| 12
| 10
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景観への配慮
| 14
| 13
| 17
| 14
| 18
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新規性
| 11
| 18
| 16
| 13
| 17
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模型の完成度
| 18
| 16
| 14
| 15
| 116
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設計書
| 17
| 16
| 14
| 15
| 16
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合計
| 91
| 85
| 90
| 85
| 91
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順位
| 1位
| 4位
| 3位
| 4位
| 1位
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優勝:耐震工学研究室 「Minaret bridge」

イスタンブールのボスポラス海峡に架けることを想定したオーソドックスな斜張橋である.斜張橋ならではの直線的なデザインで,橋としての機能性が活かされている.構造的には,桁のたわみに対応するために,側径間端部に橋脚が必要となる.デザイン的には,本物のミナレットの近くに,ミナレットを模したタワーは置かない方がよかった.
第2位:2回生グループ 「Swan Bridge」
公園内の湖沼に架けることを想定した歩道橋である.大小4本のタワーが印象的で,小さいながらも存在感にあふれている.構造的には,中央2本のタワーが実際には桁を吊ることができないのが欠点である.デザイン的には,低い方のタワーをもっと細くするなど,プロポーションに差をつければ,よりよいものになるのではないか.
第3位:構造デザイン研究室 「K-bridge」

タワー形状に工夫をした本四を結ぶ長大橋である.薄いタワーをねじって使い,ケーブルを斜めに配置するという新しい提案がされている.構造的には,側径間が長すぎるのと,側径間のケーブルの処理が不自然なのが惜しまれる.また,橋の場合には移動荷重への配慮が必須である.デザイン的には,タワーを極限まで薄くした方が,シルエットがよりきれいになったであろう.
第4位:橋梁工学研究室 「六角橋」

山間部や湖にかかる大きな道路橋としても,都市内を流れる川にかかる小さな木製歩道橋としても使えることをねらった斜張橋.タワーにテンセグリティ的な六角構造を採用したおもしろさがある.構造的には,タワーをつなぐ部材が有効に作用しない点に問題がある.この構造を圧縮に対して使うことには無理があるのではないか.デザイン的には,カモやアヒルといった具象を言わないのが鉄則.
第4位:流域デザイン研究室 「Spatial Bridge II」

隅田川河口付近を想定した高速道路の橋である.ボリューム感のある力強い斜張橋で,ランドマークとして有効な構造物である.構造的には,斜めに配した主塔の重量と回転力をどう支えるか,基礎部の考え方が不足している.力のかかるタワー上端が細くなっているのも逆であろう.デザイン的には,橋軸直角方向は薄くできるはずなので,よりシャープなデザインにすることができたのではないか.
- 来年度の予定
- 2011年11月に開催予定。テーマは未定。興味のある研究室はぜひ参加を。