- 研究概要
- 「洪水などの水災害を防ぐための基礎研究」
今日、地球環境の大きな変化により、巨大ハリケーン、台風などによる被害が増大しているなか、河川工学および災害予知が重要となっている。水理研究室では、基礎研究として、河床の砂粒子の細かい移動プロセスに着目している。
洪水時の粒子の侵食や堆積により、「河床形状」(例えば「Dune」という砂の「波」)が形成される。河床形状によって水は流れにくくなり、水が堤防を溢れることが多い。 河床における砂粒子の移動を「掃流砂」と言うが、これは非常に観察しにくいため、天気予報に使用される大気のコンピュータシミュレーションと同様の解析法を用い、掃流砂のシミュレーションの開発を行っている。また、シミュレーションを検証(チェック)するための先端測定技術開発も行っている。
- 研究テーマ
- 水浄化用バイオリアクターの流れの数値シミュレーション
- 実験および数値計算による流砂のマイクロメカクス
- メッセージ
侵食と流砂に関連する研究を行っている。特に、Particle Image Velocimetryを用いた開水路実験を中心に研究を深めつつある。これらの実験的研究に加え、渦による粒子に働く力および液体中における粒子衝突に関する理論的研究を行っている。さらに、他学科や学外機関との共同研究によって、乱流数値シミュレーションを行うとともに、マイクロセンサーを使った乱れ構造の解明に努めている。 '83年Cornell大学(米)の農業工学科を卒業した後、西アフリカのニジェル国にて灌漑に関するinternshipに出かけ、その国の開発の社会的な面や経済的な面を具体的に経験した。同時に自然のダイナミクスに感激し、力学の重要性とおもしろさに目覚め、侵食と流砂に関する力学的研究に着手した。'86年Cornell大学修士。'92年Grenoble大学(仏)博士。'92-'94大阪大学、'94-'96東京工業大学でポスドック。'96年4月-'97年3月シャープ(株)プリント商品開発研究所にてトナー粒子の接触力に関する研究。'97年4月本学外国語常勤講師、'99年4月から現職。趣味は、スキー、バイオリン、家族ハイキングです。