- 研究概要
- 「都市交通計画のための交通行動分析と交通現象の分析」
都市の中での人々の動きや、道路上での自転車や自動車の動きなど、都市の交通に関する研究をしています。都市内の交通をスムーズにし、交通渋滞や交通事故などを減少させるためには、都市の中で移動する人の行動や、車を運転する人の運転行動を分析して、適切な交通管理方策や交通安全対策を考える必要があります。
通勤・通学や買い物など、交通行動はだれもが日常的におこなっています。身近な生活の中の行動を対象にした分野ですので、日常生活のいろいろなところに研究の対象があるはずです。
- 研究室紹介

都市交通研究室では、道路交通を中心に研究をおこなっています。具体的に1つ例を挙げると、交差点における自動車挙動の分析を行っています。交差点で発生する事故は本来、信号制御によって発生しないはずです。しかし実際には事故が発生しています。これは自動車を運転するドライバーの運転挙動に問題があるためです。そこで交差点における自動車挙動を観察して、交差点の危険性を見出しています。また他には、自転車・二輪車交通に関する研究や、歴史都市防災に関する研究をおこなっています。
研究室は防災システムリサーチセンターの3階にあり、広い部屋で、一人一人にパソコンが割り当てられているので、自分のペースで研究ができます。
- 研究テーマ
- 自動車交通に関する研究
自動車交通は非常に便利である反面、交通渋滞、交通事故といったさまざまな問題も抱えています。交通渋滞や交通事故をできるだけ少なくするためには、それらの原因となるドライバーの運転行動を分析し、そのような行動が少なくなるような道路整備や、交通管理、交通制御をすることが必要になります。
- 自転車・二輪車交通に関する研究
立命館大学BKCでは、多くの学生が自転車や二輪車で通学しています。このためBKC周辺では、通学時間帯に大量の自転車や二輪車が集中し、交通渋滞、交通事故なども発生しています。
- 歴史都市防災に関する研究
多くの文化遺産をもつ歴史都市では、災害時においても文化遺産を適切に守ることが必要になります。また、歴史都市は観光都市でもあり、災害時には市民とともに観光客の安全を図ることも重要になります。
この研究では、歴史都市における観光客の交通行動分析や、避難誘導方法の検討をおこないます。また、歴史都市や文化遺産の防災の重要性について考えるため、それらに対する社会的な着目度の分析や、観光資源としての文化遺産の評価をおこないます。
- メッセージ
- 「高度道路交通システム(ITS)を想定した都市交通管理方法の検討」
現在、高度道路交通システム(ITS)と呼ばれる、交通システムの知能化、情報化が進められています。そのため、これらを前提とした、適切な交通計画や交通運用管理の方法を検討する必要があります。現在は、以下のような研究に取り組んでいます。
1.道路交通情報の影響分析:各種の交通情報の影響を考慮した道路利用者の交通行動分析にもとづき、適切な交通情報提供方法の検討をおこなっています。
2.都市高速道路の交通管理:都市高速道路の渋滞シミュレーションを用いて、高速道路の適切な交通管理、交通制御の方法について検討しています。
3.交通事故多発地点の安全対策:交通事故多発地点を対象に、走行車両の挙動を分析することにより、適切な交通安全対策の検討をおこなっています。
1998年に東京工業大学大学院を修了し、岐阜大学を経て、2002年4月より本学に赴任。博士(工学)。専門は交通工学、交通計画。