OKUBO Takeyuki / Professor

(Japanese version only)

所属学科
都市システム工学科
研究室名
歴史都市防災研究室
専門分野
文化遺産防災学,防災計画,環境防災水利,都市設計,建築設計
連絡先
077-561-3360(研究室直通/ファックス)
所在地
トリシアI 3階
Webサイト
http://www.rits-dmuch.jp/
http://okubolab.wordpress.com/

歴史都市防災研究室

研究概要
「木造文化都市の防災設計と環境防災水利」
これまでは別々に取り組まれてきた、文化遺産の保全と都市の防災計画との間の複合領域を主な対象として、安全で美しい、都市や地域をデザイン(設計)することを目指しています。

 地震の危機にある「カトマンズにおける組石造文化都市の防災計画研究」を始め、京都府・妙心寺や愛媛県・松山城等の「文化遺産の防災計画づくり」、兵庫県・篠山市、京都府・美山町や加悦地区など「歴史的町並みの住民参加による防災計画提案」、歴史に見る「伝統的な減災の知恵」の抽出と現代社会への応用、京都市清水周辺地域等での「防災水利設備の設計・研究」、木造街路の延焼抑止システムやコミュニティ防災センサー等の「新しい防災設備機器の開発研究」など、「実践的な社会貢献」のためのプロジェクト参画を通じて、専門性をまたぐ研究を進めます。国内外の現場におけるフィールド調査→そこに内在する社会的な課題抽出→分類や解析による分析→解決へ向けた基本方針の導出→具体的計画案としての総合化→成果の市民・行政等による評価、といった一連の課題解決型の研究を、現場で経験してもらいたいと考えています。プロジェクト実現には時間がかかりますが、自分の研究が実社会に寄与する達成感をぜひ味わっていただきたいので、大学院への進学をすすめています。
研究室紹介
「安全で美しい歴史都市づくりを目指す研究室」

 これまで別々に取り組まれてきた、文化遺産の保全と都市の防災計画との間の複合領域を対象として、安全で美しい、都市や地域をデザイン(設計)することを目指しています。特に、グローバルCOEプログラム「歴史都市を守る『文化遺産防災学』推進拠点」に関連する、防災まちづくり計画に取り組んでいます。
現地調査や文献資料調査から都市の歴史と文化,災害危険性を解明し、その成果を活かした防災計画案の策定、さらに市民評価へと至る、一連の課題解決型の研究を実施しています。 国内外の歴史都市や伝統的町並みを有する地域をフィールドに、住民の方々や行政と連携しつつ、「豊かな環境と伝統を維持した災害に強い歴史都市づくり」に向けた、社会の設計を進めています。
研究テーマ
  • 木造文化遺産の被災史と災害対策の歴史を踏まえた計画研究(伝統的減災手法)
  • 市民の防災意識と評価に基づく防災計画策定手法に関する研究(住民参加手法)
  • 重要伝建地区での大規模災害時の危険性と防火対策に関する調査研究(町並み防災計画)
  • 木造文化都市を守る環境防災水利整備技術に関する研究(防災設備の開発研究)
  • 文化遺産と地域を同時に守る文化遺産の防災拠点化(文化遺産の地域防災拠点化構想)
  • 防災施設の設計提案を通した景観保全に関する研究(防災施設設計による環境デザイン)
  • 都市防火のための地域火災センサーおよび延焼抑止放水設備の開発(防災システム開発)
  • 歴史文化観光の推進と観光者の安全な避難を促す観光防災計画の研究(観光防災計画)
  • 延焼抑止放水設備イメージ:市民消火栓とともに沿線に設置し、木造表面を湿らせて延焼を抑えるシステム

  • 住民参加のDIG:災害図上訓練の手法を応用した、住民の視点に立った防災計画づくり

  • カトマンズの防災計画提案:ネパールの世界遺産都市における、伝統的資源を活用した地震避難計画と消防活動計画づくり

  • 地域連動型火災センサー開発:住宅用火災警報器を無線ネットワーク化した、停電にも強い初期消火支援システムの開発

  • 文化遺産と周辺地域を一体とした防災計画:妙心寺の塔頭群と周辺地域を一体で捉え、相互に守り合う為の地域防災システムの設計

メッセージ
「歴史都市防災、文化遺産防災を学ぶということ」
 「文化遺産防災学」を学ぶことは、防災工学の分野と文化財保存学の分野の両方に役立つ知識と経験を習得することになります。つまり、理工学と人文社会学のどちらの分野でも活躍できる、貴重な人材になれることを意味します。歴史都市防災や文化遺産防災へのニーズは、日本だけでなく広く世界の様々な地域に存在し、ユネスコなどの国際機関からも注目されています。また実践的なプロジェクトへの参加経験は、就職して社会に出る上で、大きなアドバンテージとなります。国際社会の中で他の人にはできない、歴史都市と文化遺産を次世代へと受け継ぐための美しく安全な地域づくり、さらには新しい文化を担い、創り出すための設計と計画は、とても大切な仕事であると考えています。

担当講義

  • 卒業研究
  • 都市計画Ⅰ・Ⅱ
  • 都市システム工学概論Ⅱ(まちづくり演習)
  • 文化財防災学特論
  • 国内実習1
  • 理工学特殊研究
  • 理工学演習1・2・3・4
  • 国際産業工学演習3
  • 都市防災工学
  • 理工学特別演習Ⅰ~Ⅵ(歴史都市防災)
  • 理工学特別研究Ⅰ~Ⅵ(歴史都市防災)
  • 特別演習の活動風景:チームによるデザイン設計競技への参加

  • ゼミの活動風景:研究室内コンペで決定する恒例の夏合宿企画

  • 東日本大震災の調査:地域遺産の防災活用などに関する現地調査

  • 現地での調査演習:清水寺周辺などフィールド調査への参加