教員紹介
FACULTY MEMBERS

子ども社会専攻
石田 智巳 教授
ISHIDA TOMOMI
研究テーマ
体育と認識、ナラティブ・アプローチ、体育実践記録論
おすすめ書籍
斎藤幸平『人新世の「資本論」』集英社新書,2021
この本は,マルクスを使って現在の気候危機の原因が資本主義にあることを述べた本です。「はじめに」には,「『SDGsは大衆のアヘン』である!」と挑発的に書かれています。「宗教は大衆のアヘン」(マルクス)をもじったものです。新自由主義において,多くの勝ち組は「今だけ,金だけ,自分だけ」で自分(や仲間,家族)さえよければ,後はどうなってもいいという態度を取ります。そして格差が拡大しています。気候危機を乗り越えて,社会を変えるひとつの提案となっています。キーワードのひとつはコモンです。
あと,原理的に物事を考えたいときに,竹田青嗣さんの本はおすすめです。フッサール現象学は竹田さんから学びました。それが今の研究には何の役にもたっていませんが。
学生時代の思い出
私は1987年に大学に入ったのでバブル世代と呼ばれています。入学当時の夜の飲み屋街は華やかで活気にあふれていました。それを尻目に部活とバイトに明け暮れる貧乏学生生活を送っていました。昭和最後の日は大学の寮にいました。高校教員になるという夢を失い、放浪の旅に出て7年かけて学部を卒業しました。バブル崩壊後に大学を卒業し、大学院に進学し、そのままズルズルと学生生活を送って、1998年まで学生でいました。学部時代は昭和の寮生(10名のみ)だったのですが、寮の上下関係は厳しく、麻雀の人が足りないと借り出され、その後は飲み会に連れて行かれて明け方までということもしょっちゅうありました。ここには書けないこともあったのですが、今となっては楽しい思い出です。
現在の学問分野に決めた理由
大学でゼミを選択するときに、たまたま周りに流されて選んだ先生が、とてもユニークな方でした。4年生のときに休学を考えていると相談に行くと、焼酎のお湯割りを進めてくださり、さんざん飲んで「人生を長い目で見れば、人よりも2年ぐらい遅れたってどおってことない」、「人生は出会いとタイミングだ」と後押ししてくださいました。学生時代に勉強に手が回っていない生活を送っていたので、大学院ではしっかり勉強しようとその先生に師事することにしました。それが、「体育科教育学」という分野だったのです。