教員紹介
FACULTY MEMBERS
子ども社会専攻
角田 将士 教授
KAKUDA MASASHI
研究テーマ
社会科(地理歴史科・公民科)カリキュラム編成論、社会科(地理歴史科・公民科)授業構成論
おすすめ書籍
デューイ著(宮原誠一訳)『学校と社会』岩波文庫(岩波書店)、1957年
学生時代の思い出
学生時代の(苦い)思い出として、教育実習での失敗をよく覚えています。授業直前に「学習指導案(授業)が完成しました」と指導担当の先生に差し出したところ、「これで授業になると思っているのですか!?開始まで10分あるから改善しなさい」と厳しく言われました。そのため頭の中が真っ白になってしまい、結局、何一つ改善できないまま、授業に臨むことになりました。この時の授業については、断片的な記憶しかありません。指導担当の先生は、前日までにも熱心にご指導して下さり、提出した学習指導案もそうした指導を踏まえたものになってはいましたが、より良い授業づくりに終わりはないし、チャイムが鳴る直前まで全力を尽くす必要があるのに、「完成しました」と安直に述べた私に対して、そのことの浅はかさを指摘したかったのだと思っています。この出来事(ピンチ)もあって、大学院でより専門性を高めようと思うようになりました。
現在の学問分野に決めた理由
私が専門としている「社会科教育学」は、小学校・中学校の「社会科」、高等学校の「地理歴史科」「公民科」の授業を、どうすれば学習者である子どもたちにとってより意義深いものにしていくことができるか、を研究する学問です。その中でも私は「歴史(日本史)教育」を中心に研究を進めてきました。
「歴史=暗記=嫌い」というイメージは強固です。受験という現実的な要請の中で、なぜそれが大切なのかがよくわからないままに、たくさんの歴史用語や年代を暗記させられるからです。一方で「なぜ歴史を学ばなければ(教えなければ)ならないのか」という問いは看過されがちです。そのような中で「学習者にはそれを学ぶ意義が実感されにくいにも関わらず、わが国において、学校教育制度が確立された明治期以降、今日に至るまで歴史が教育課程上に確固たる地位を築いてきているのはなぜか」、「学習者が学ぶ意義を実感することができる、質の高い歴史教育とはどのようなものか」といった一連の問いが私の問題意識です。
もともとは高等学校の教員志望で教育学部に進学しましたが、教育実習での経験(失敗)もあって、より深く社会科教育について研究したいと考え、大学院に進学し、博士課程前期・後期、研究生、そして助手を経て、2007年4月に立命館大学産業社会学部に着任しました。産業社会学部では子ども社会専攻に所属し、主に教職課程における社会科(地理歴史科・公民科)教育法関連科目を担当しています。