スポーツ社会専攻:障害者シンクロナイズドスイミング・フェスティバルのボランティア

Posted on 2017.07.06

本年度から東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年の
先を含む5年間(2017年4月~2022年3月)のスポーツ政策として、第2
期スポーツ基本計画がスタートしました。計画では、「する」「見る」
「ささえる」といった多様な形での「スポーツ参画人口」を拡大して、
「一億総スポーツ社会」を実現する意義が謳われています。



中でも障害のある人のスポーツ実施率の向上(成人の週1回以上のスポ
ーツ実施率:現在19.2%→40%を目指す)は、豊かな共生社会を誘う一
助であるとしています。

スポーツ社会専攻では、スポーツの現場に実際に携わり、スポーツの持
つ意味や役割を肌で感じることで専攻での学びを深めたいという考えの
もと、毎年課外活動の一環として障害者スポーツ大会でのボランティア
活動に取り組んでいます。今年も、5月14日(日)に京都市障害者スポ
ーツセンターで開催された、「第26回障害者シンクロナイズドスイミン
グ・フェスティバル」の会場設営、フェスティバルの運営・補助に、ス
ポーツ社会専攻に所属する1回生から4回生の有志学生の約60人とスポー
ツ社会専攻の教員4人が参加しました。この障害者シンクロは、性別・
年齢・障害の有無に関わらず誰もができるシンクロナイズドスイミング
を通じて、障害の種別を超えた自己表現を可能にしています。参加者に
とって、このフェスティバルで発表することは、自己の可能性にチャレ
ンジすることであり、その演技は競技者だけでなく家族やチームの仲間、
観る者に感動を与えてくれます。昨年に続いて台湾からの参加者を迎え、
国際的なフェスティバルとなりました。



今回、スポーツ社会専攻の学生が行なったボランティアの内容は前日か
らの会場設営、リハーサルの補助、当日の受付、進行、アナウンス、音
響、式典・招集、救助介護、通訳など多岐にわたりました。参加した学
生たちは皆で力を合わせて、大会の成功へ大きく貢献しました。スポー
ツ社会専攻では、今後もこの大会のボランティアを継続して行っていく
方針であり、授業だけではなかなか学ぶことのできない、スポーツイベ
ントの運営や意義、そして役割をボランティアという形で身を持って経
験してもらいたいと考えています。
 また今回は、このような取り組みに共感した現代社会専攻、メディア
社会専攻、文学部、国際関係研究科から、それぞれ1人ずつの学生が参
加してくれました。台湾チームの通訳を担ってくれた留学生もいます。
このフェスティバルにボランティアとして2年連続参加しているスポー
ツ社会専攻3回生の市谷優香さんは「今回のボランティアでは昨年と同
様音響係を担当させていただきました。音源を返却する際、笑顔であり
がとうと言ってくれる方々からは、やりきった!という雰囲気が感じら
れました。障害の様子はさまざまですが、それぞれに「やりがい」や
「生きがいを」感じながらシンクロに取り組んでおられることが伝わっ
てきました」同じく3回生の須田菜月さんは「今回、初めて参加しまし
た。障害のある方もない方も今まで練習してきたことを発揮し、シンク
ロを楽しんでいるという印象を持ちました。また、たくさんのボランテ
ィアスタッフに支えられながら大会が成り立っていることを実感しまし
た。これからさらにアダプテッドスポーツが世の中に広まればと感じま
した」と感想を述べてくれました。参加した多くの1回生は、今回のよう
に「スポーツを通してさまざまな方に接する機会は貴重な経験になる」
と意欲的に取り組んでいました。



文責:スポーツ社会専攻 金山千広 教授

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