講演会「障がい者スポーツと共生の作法」の開催:スポーツ社会専攻企画

Posted on 2018.04.04

 2017年10月11日(木)基礎演習後のサブゼミの時間を利用
し、学生団体「ウィルチェアーラグビーサポートプロジ
ェクト」とスポーツ社会専攻のコラボレーション企画と
して、衣笠体育館で専攻企画講演会を開催しました。今
回は、9月に大阪いばらきキャンパスで開催したウィルチ
ェアーラグビー日本選手権大会予選リーグAでお世話にな
った、大阪のウィルチェアーラグビーチーム「HEAT」か
ら永易雄選手をお招きし、「障がい者スポーツと共生の
作法」をテーマにご講演いただきました。ウィルチェア
ーラグビーを初めて知る1回生を対象に体験会とトークシ
ョーを行い、競技の魅力や共生社会の在り方を考える内
容となりました。



 車イス体験会では、日常用の車いすと、車いすバスケッ
トボールやウィルチェアーラグビーで使われる競技用車
いすの違いなどについて説明を受けた後、1回生が実際に
車イスに乗って、永易選手と「鬼ごっこ」のようなゲー
ムをしました。永易選手1人に対して数名の学生という有
利な状況にも関わらず、学生はなかなか捕まえることが
できませんでした。
 永易選手は一つ一つの動作がとても速く、参加者はその
巧みな動きに驚きながら体験会を楽しんでいました。障
がい者と健常者であったとしても、ちょっとした工夫で
みんなが楽しめるということを実感できました。永易選
手も、「日常生活も同様、障がい者と健常者が一緒に生
活できる方法を考えて工夫すれば全て上手くいくことが
できる」と語っておられました。
 トークショーではお仕事からプラベートまで、学生から
の質問に幅広く答えて頂きました。行きたい所や遊びに
行く場所は、遊園地や水族館など健常者と同じであるこ
と、公共施設の多機能トイレがハロウィンなどのイベン
トの更衣室として使われている現状に対し不満をもった
ことなど、ご自身の日常を中心に振り返って答えてくだ
さいました。特に印象的だったのは、「世間では障がい
者には何もできないというイメージがあり、全てのこと
に対して助けが必要であると認識されがちだ」というこ
とでした。「自分のできることはやるし、できないこと
に対して助けを求める。
逆に障がい者であっても困っている人がいたら助けるの
が当たり前。人として当たり前に助け合いができる社会
が共生社会です」。何か問題があれば共に解決策を考え
る、助けが必要であれば助け合う。当たり前なことです
が、改めてこの「当たり前」が共生社会において重要で
あることを感じました。



 いよいよ2年後に東京パラリンピックが迫ってきており、
永易選手自身も1人のアスリートとして出場を目指されて
います。一時的なものではなく、パラリンピック後も持
続的に注目されるように努め結果を残し続ける姿に、感
じるものがありました。今回の講演会は社会におけるス
ポーツの在り方や意義を学ぶ学生にとって改めてスポー
ツが及ぼす影響、また障がいのある人々と共に生きる社
会とはどのようなものであるか理解を深める機会でした。
今後もウィルチェアーラグビーのさらなる発展を願い、
私たち学生もサポートしていきたいと思います。


文責:白土涼子(スポーツ社会専攻3回生)
        松島剛史(准教授)


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