2026年5月22日(金)から24日(日)の3日間、京都・みやこめっせで開催されていた「BitSummit PUNCH」。今回はアナログゲームブースの紹介をします。
アナログゲームブースは、非デジタル系(電源を使わない)ゲームが集結したエリアです。本年度のBitSummitでは計7ブースが開設され、カードゲーム、謎解きゲーム、パーティーゲーム、TRPG、知育系のゲームなど、さまざまな作品が紹介・販売されていました。
他のデジタルゲームと同様、1プレイ10数分ほどで開発者や企業の担当者の説明を聞きながら試遊をすることもできました。出店者様が開発した別のゲームも一部購入可能で、BitSummit限定価格で売り出されているものも多く、3日目に訪れた際には販売予定分が売り切れてしまっていたものもありました。
本年度はBitSummitと同日に別のアナログゲームイベントが開催された影響を受け、例年に比べて出店数は少なかったですが、ブース内は常に混み合っており、試遊待ちの来場者の方も散見され、アナログゲームに対する期待や熱狂を感じることができました。
『マッチ売りの大富豪』試遊レポート
今回は試遊が可能だったゲームの中から、HEY!が開発するボードゲーム『マッチ売りの大富豪』を試遊時にお話しいただいたゲームの魅力などを踏まえながら紹介します。
トランプゲームの定番である大富豪に、算数パズルのような思考を融合させたカードゲーム、それが『マッチ売りの大富豪』です。
はじめにプレイヤーにはカード複数枚とマッチ棒が1本配られます。カードの種類は1〜F(プレイヤーが多い場合はHまで)で、数字の9以降はAからアルファベット順に強いカードとなります。カードにはデジタル風フォントで数字かアルファベットが書かれており、マッチ棒を使用して文字を変化させることができます。プレイヤーは大富豪と同じようなルールでカードを減らしていきますが、自分の手番をパスするとマッチ棒が1本追加されます。勝利条件は「マッチ棒とカードを同時に0にする」ことです。
従来の大富豪と違うのは、「運だけでは勝負が決まらない」ことです。カードはデジタル時計のような字形で描かれていて、マッチ棒を足すと別の数字・文字に化けます。
例えば、かなり弱い「1」のカードとマッチ2本を組み合わせることで最強の「F」のカードに変化させることができるように、手札がどれだけ弱くても、マッチ棒さえあれば一発逆転が可能になっています。カード運に頼らない頭脳戦が、このゲームの肝です。
大富豪本来のルールでは7渡し、8切りなどカードごとに様々な役が存在しますが、本作では「革命」以外のカードの効果をあえて削除しているそうです。ゲームとして難易度が高くなりすぎることを防ぎつつ、カードの効果ではなく、マッチ棒を利用して勝利を目指すことにプレイヤーを集中させるための良い工夫だと感じました。実際、終盤に革命が起きた瞬間、強いカードを抱え込んでいたプレイヤーが一気に動けなくなり、形勢が逆転する場面もありました。
ただカードを出せないから手番をパスするのではなく、カードの強化に必要なマッチ棒をもらうためにあえてパスをするといった従来の大富豪にはないパスの戦略的意義も魅力的です。マッチ棒をたくさん持っていれば、手札の柔軟性が増し、カードの消費がしやすくなります。しかし、勝利するためには手元のマッチ棒を全て使い切らなければいけません。いくらカードが強くできるからといって、マッチ棒を溜めすぎるのもリスクになってしまいます。ハイリスクハイリターンなマッチ棒をめぐる駆け引きがとても面白かったです。
『マッチ売りの大富豪』は、馴染み深い大富豪という遊びに、マッチ棒の要素を追加することで全く新しい戦略性や面白さを生み出した革新的なゲームと言えます。従来のカードゲームの枠を超えた新しい戦略性と遊び心の両立を、ぜひ多くの人に体験してほしいと思います。