2026年5月22日(金)から24日(日)の3日間、京都・みやこめっせで開催されている日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit PUNCH」。その会場内で、一際ユニークな熱気を放っていたのが「特殊ディバイス」のエリアです。
特殊ディバイスエリアについて
「特殊ディバイスエリア」は、ユニークで一風変わった自作コントローラーの体験企画が集まる特設エリアです。このブースは、「make.ctrl.Japan」という変わったコントローラーを使って遊ぶゲームを専門に作る有志団体によって構成されています。
「make.ctrl.Japan」とは
「make.ctrl.Japan」とは、一般的なゲームパッドではなく、開発者が独自に制作した変わったコントローラーを使って遊ぶゲームのみを展示する企画イベントです。過去にはダンボール箱や黒板消し、自転車の空気入れなどをデバイスにした奇想天外な作品も出展されてきました。
本団体のリーダーであるMIYAZAWORKSの宮澤卓志氏は、2023年に発表した『紙がない!』で革新的反骨心賞を受賞するなど高い評価を受けています。本年もBitSummit会場内の任天堂ブースにて新作『顔UFO』を展示するなど、Switch 2のコントローラーの様々な機能を活用し、精力的にゲーム開発を続けています。
そんなアイディアあふれる作品が集結する本エリアにおいて、「本物の麺きり台」を引っ提げて一際注目を集めていたのが、讃岐GameNが開発するうどんメダルゲーム『うどんプッシャー』です。




個性豊かなコントローラー作品で遊ぶ来場者たち。
包丁型デバイスで麺をカット! どんぶりを狙う前代未聞のプッシャーゲーム
『うどんプッシャー』は、ゲームセンターでおなじみのプッシャー(メダル落とし)ゲームのメダルを、香川県名物の「うどん」にそっくりそのまま置き換えた異色の作品です。
最大の特徴は、本物の「麺切り台」をベースに作られた専用コントローラーです。麺切り包丁を模した特製デバイスをトントンと動かして生地(ぬいぐるみ)を切るアクションを行うと、その動きに連動して、画面内に大量のうどんが次々と投下されていきます。
中央のモニターはプッシャー台になっており、新しく投下されたうどんが、フィールドのうどんをどんどん手前へと押し出していきます。
見事手前に落ちたうどんは、なんと隣のモニターに表示された「どんぶり」の中へ! 制限時間1分の間にうどんをどんぶりに集め、完成したうどんの杯数や具材によって「本日の売上」としてスコアを稼ぐのがこのゲームの目的です。
プレイ中には「うどんジャックポット」などの派手な演出も用意されており、天ぷらなどのトッピング要素も。
物理演算によってくにゃくにゃと動く大量の麺が、どんぶり目掛けてなだれ落ちていく光景は圧巻です。直感的な操作と癖になる爽快感で、子供から大人まで夢中になれる魅力が詰まっていました。
なぜコインではなく「うどん」なのか? 香川発の技術力と「メンターテインメント」への挑戦
本作を開発したのは、香川県を拠点に活動するゲームクリエイター集団「讃岐GameN」。同団体の理事を務め、企画や実装、専用コントローラーの制作まで幅広く担当するりゅうせい氏にお話をうかがいました。
そもそも、なぜうどんをプッシャーゲームにしようと考えたのでしょうか。
りゅうせい氏は「香川で活動するグループとして、わかりやすいゲームを作りたかった」と開発のきっかけを語ります。
メダルゲームといえばコインが定番ですが、それをうどんに変えたら絶対に面白いと思いました。そこで調べてみたんですが、なぜか『うどんプッシャーゲーム』って世の中になかったんですよね(笑)。じゃあ自分たちで作るしかないなと。
本作で最もこだわっているのが、りゅうせい氏が心血を注いだ独自の「うどん物理演算システム」です。
開発にあたり「メダルゲームのように、うどんを大量に出しても絶対に処理落ちさせない」という高い目標を設定。画面内がうどんで埋め尽くされても、ちぎれたり重なったりする本物の麺さながらの動きを、極限まで滑らかに表現することに成功しています。
本作は今後もアップデートを続け、「思い描いたものは全て実装していく」とのこと。湯切り型コントローラーや足踏みコントローラーの導入など、さらなる進化を見据えています。
今後の展望について、りゅうせい氏は「Nintendo Switchでのリリースを目指している」と意気込みます。子供たちが集まり、ワイワイとうどんを落としながら遊べる環境を作りたいとのことです。
また、ゲーム内でうどんを通貨として全国にうどん屋を建設するモードなども構想中。「麺(メン)のエンターテインメント、『メンターテインメント』として展開していきたい」と、自身のビジョンを熱く語ってくれました。