unit 3a : Subject for Discussion
Subject (1) 「消費」されるデジタル表象文化
- 世界像のツリー・モデルとデータベース・モデル(メインテキスト p.51)
- Question:東浩紀の「データベース消費」論に影響を与えている下記の理論や言説と参考リンクを参考にして、その理論が妥当であるかどうか述べよ。また、1980年代に爆発的に拡大するデジタル表象文化の普及=社会化と「データベース消費」論との関係について述べよ。
※「シミュラークル」
ジャン・ボードリヤール(竹原あき子訳)『シミュラークルとシミュレーション』法政大学出版局、1984年。
※「情報社会としてのポストモダニズム」
1. モダニズム的な思想・価値観・実践を拒否する
2. 真実は多様だから唯一の真実を発見しようとする主張を拒否する
3. 真正なものなどはないので真正性(authenticity)の追求を拒否する
4. 意味は無限に存在するから意味づけの追求を拒否する
5. 差異の称揚(解釈・価値・様式)
6. 快楽・分析よりも感覚的体験,享楽,崇高なものの強調
7. 表層・外観・多様性・パロディ・皮肉・模倣画を喜ぶ
8. 一般人の創造性や想像力は行動の決定論的な説明を拒むとの認識
フランク・ウェブスター (田畑暁生訳)『"情報社会"を読む』青土社、2002年。
※「スーパーフラット」
村上隆編『スーパーフラット』マドラ出版、2000年。
- 参考リンク:
・ 東浩紀の公式ウェブサイト
hhttp://www.hirokiazuma.com/
・ 「スーパーフラット」の【批評】暮沢剛巳(文化批評家)
http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/artscape/book/0007/superflat.html
Subject (2) 「ポストモダン」とデジタル表象文化
- 「ポストモダニズム」的な日本の現代史区分(メインテキスト p.131)
■1945〜1970年 「理想」の時代
■1970〜1995年 「虚構」の時代
■1995年以降 「動物」の時代
「動物」の時代の例(このリンクを参照)
1)人間を動物のように扱うテクノロジーを発達させたオウム真理教の「ドラッグによる洗脳」「マインドコントロール」
2)単一のイデオロギー(共産主義)の壊滅後に登場し、読みこむごとに多様な世界観を提供する「巨大なデータベースとしてのインターネット」
3)「萌え」要素データベースの結節点として誕生した「デ・ジ・キャラット」
4)萌え×泣きの技術集積の結果であり、かつゲームプレイとデータベース消費に乖離した「ノベルゲーム」
- Question:「ポストモダン」論を下敷きにした東浩紀の「時代区分」に影響を与えている下記の理論と参考リンクを参考にして、東の区分による時代規定の意味について考えよ。また、この時代規定とデジタル表象文化の普及=社会化との関係について述べよ。
※大澤真幸『虚構の時代の果てに』ちくま新書、1996年。
□1945〜1970年 「理想」の時代
□1970〜1995年 「虚構」の時代
連合赤軍浅間山荘事件(1972年)〜オウム真理教事件(1995年)まで
※見田宗介『現代日本の感覚と思想』講談社、1995年。
□1945〜1960年 「理想」の時代
□1960〜1975年 「夢」の時代
□1975年以降 「虚構」の時代
- 参考リンク:
・東浩紀の【講演記録とレジュメ】
http://www.tinami.com/x/moujou/report.html
・メインテキストの【書評】大澤真幸
http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/syohyou/20020128ii07.htm
・ メインテキストをめぐる【対談】宮台真司×東浩紀
http://www.miyadai.com/texts/animalize/
・【メディア芸術プラザ】文化庁
http://www.mainichi.co.jp/eye/interview/200112/27-1.html
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