2002/05/13


卒業論文構想 中間発表 資料
 
 

21世紀のサービス企業モデル(仮題)

―顧客満足型エコビジネスのすすめ―



1.どのようなものを扱っていく予定か?

 1.1 論文テーマ

  全体的なテーマとして、以下の2つがある。

   @21世紀の時代に、企業はどのようにすれば、生き残っていけるか?

   A企業が成長しながら、どのような形で社会貢献できるか?

  →その答えは、一つでない!!

 ⇒「顧客満足型エコビジネスのすすめ」は、一つの回答例
 

 1.2 なぜ、企業は社会貢献が必要か

  資本主義経済においては、企業は自由な企業活動(を行う権利)を保証されている。

  権利が認められてるということは、当然、義務もある。その義務が何かというと、社会貢献である。

  1.2.1 企業の社会貢献とエコビジネスの関連性

   企業の義務・・・営利活動をした結果、利益を稼ぎ、税金を払うこと。

   しかし、これだけでいいのだろうか? また、今までの企業活動で、反省する点はないのだろうか?

    20世紀(近現代)の反省点・・産業革命以降、急速に技術が発展。それと引きかえに、環境の悪化

     例:大気汚染などの公害問題。しかし、地域規模の問題だけでなく、地球的規模の問題でもある。

       その例が、温室効果ガスによる温暖化や、廃棄物の問題
 
 

2.なぜ、顧客満足か?  

 2.1 社会背景

  従来:市場も社会も発展期

   大量生産・大量販売の形で、製品の優劣だけで消費者をひきつけることができた。

  ⇒付加価値の重要性は低かった。

  現在:市場・社会の成熟化

   製品の優劣で差別化が図れなくなってきた。

    その理由:@技術力の進歩 Aモノが溢れる社会 

 ⇒競争激化。しかし、その中でも企業は、成長しつづけなければならないという状態に。

 ⇒何らかの形で、他企業との差別化を図ることが必要となってきた
 

 2.2 競争優位に立つための差別化の方法

  安定した収益をあげ続けながら、発展していくためには、お客さんに、財・サービスを購入してもらい、リピーターになってもらうことが重要

  2.2.1 リピーターの重要性

  なぜリピーターが利益を生むのか?

   @リピーターは、関連の商品を買ってくれる

   Aリピーターは口コミをつかって宣伝してくれる

  2.2.2 リピーターをつくるための手段

   顧客ロイアリティを高めることが重要

    @顧客満足の徹底 =お客様のニーズを反映する経営、口コミでの宣伝効果

    Aブランドの形成 =ブランド価値を高くすることで、信頼を作り出す

    B製品に「情報」などの付加価値をつける =「アウターサービス」も含まれる

  ⇒いずれも、企業と消費者との間に、信頼関係をつくりだすための戦略

   信頼関係を築くためには、社会に認められている企業であるということが重要となってくる

  *どういうところで社会に認められているといえるのか?

    例:株価、外部機関の評価、社会貢献事業・・・

    ⇒その中でも全ての企業に必要とされ、消費者にとっても身近である「環境問題」に重点をおいて扱っていく予定。

  2.2.3 ブランドの形成について

   社会的認知が低い等、競争に不利である場合、リピーターを作ることは、容易でない。

   そのために、ブランドを形成し、そこから、顧客との信頼関係を築き、リピーター形成へ
 

3.なぜ、エコ・ビジネスか?

 地球環境問題 = 全世界の人間にとって、重要な問題

  @温暖化による影響は、生活の危機だけでなく、経済的にも多大な損失も招く

   例:1900年代、温暖化によって、年間400億米ドルの損害(IPCC1)第三次報告書)

  *1)IPCC・・・「気候変動に関する政府間パネル」のこと。これは、1988年に世界気象機関及び国際連合環境計画が共同で設置した気候変動に関する政府間パネルをいう。 

  A環境保護 と 経済発展 は相反するものではない

   EUでは、両立を実現している国もある。

    例:廃棄物削減のための法規制→地球にやさしい簡易包装へのインセンティブが働く→製品コスト削減

   逆に、日本は、環境保護に消極的にもかかわらず、景気低迷を続けている。

  B「リサイクルの推進 = 環境保護」といったことが成立する単純なものではない!

   例:ペットボトルのリサイクル

    新たに製造時のエネルギーより、リサイクル時のエネルギーの方が多く使う。また、再生財の使用用途が限られているという問題も。

   →リサイクル以外に方法はないのか??
 

 このように、単純なものではないが、放置できない状況。それゆえに、行政・企業・市民、それぞれのセクターが協力して取り組んでいく必要がある。

 この論文では、その中でも、企業の役割に限定して、優れたケースをケーススタディとして交えて、考察していく予定
 

4.どのように実践していくか?

 総合サービス企業である「鉄道業」をモデルケースとしてあげ、考察していく予定

  *なぜ、鉄道を選んだか?

    多様な事業を行っている業界の一つだから

     例:ホテルなどのレジャー産業、情報通信事業、流通、まちづくり など

 つまり、応用可能な実践例の提示としては、最適と判断
 
 

参考文献・資料の一例

<顧客満足>

*近藤隆雄「サービスマーケティング」生産性出版 2000年

<エコビジネス>

*環境省地球環境局「地球温暖化防止のカギ握る日本」 2001年

*水谷洋一 編「2010年地球温暖化防止シナリオ」 実教出版 2000年

*JCCCA 京都議定書 公式訳 (http://www.jccca.org/hou/kpjpn.html)