2011.3.11 巨大地震に関するレポート

地震発生当時は理学総合棟の実験室(333号室)で実験をしておりました.

ちょうど地震の1週間前にピコ秒パルスレーザーが納品されたばかりで,
このレーザーのテストをしながら新しい光学系を組み始めておりました.

地震が来る3分ほど前にレーザーを点灯し,出射光エネルギーをチェックし終わった
ところでグラグラというP波を感じ,すぐさま部屋全体が「ゆっさ,ゆっさ」と大きく振れ始め
ました.ただ,立ってはいられるほどの揺れだったようで,慌ててレーザーを停止したあと,
どこに居ようかと右往左往しながら入り口付近に立ち位置を決め,その付近にあった
ガラスデュワーなどを背中で押さえて揺れがおさまるのを待っておりました.

その間,結晶やガラスの試料,レンズ類などの入った大型デシケータや小物棚などが
次々と転倒し,地震の揺れによる「ガッサッ,ガッサッ」という重たい音の中に,
ガッシャーン,パキーン,といった甲高い音が重なっていたのが思い出されます.

実験室の移設が終わったばかりで,ほとんどの棚などが耐震固定されていません
でしたが,巨大地震の前々日に起きた中規模の地震を機に固定を急ぎ,巨大地震の
前夜に大方の固定を済ませることができました.そのおかげか,棚の転倒や積載物の
落下は最小限で済み,レーザーや分光器など大きな装置などには,見た目には深刻な
ダメージは認められませんでした.

(つづく)

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