シェルの本来の意味は「貝殻」や「殻」と云ったものです。 イメージしにくいかも知れませんが、シェルを「一番外側に在るもの」 と解釈してください。 UNIX でのシェルも計算機からみて一等外側に存在し、 人間との情報の遣取りをする窓口の約割りを担っています。 例えば、ファイル名を確認するときに ls コマンドを使いますが、 ユーザーがプロンプトで ls と打ってリターンキーを押すと、 シェルがその命令を受け取って、 ls コマンドを計算機の中から探してきて、 実行してくれるのです。
tcsh では、Emacs などのエディタのように入力位置を移動でき、すでに入力した 文字列に対して文字の挿入などの編集が可能です。 キー操作の一覧を以下に示します。
表記のルール 以下で,C-<文字> は コントロールキーを押したまま、<文字>キーを押すことを意味します。例えば、C-f はコントロールキーを押しながら f のキーを押すことです。
カーソルを1つ進める | C-f, →(右カーソル) |
カーソルを1つ戻す | C-b, ←(左カーソル) |
カーソルを先頭に移動 | C-a |
カーソルを文字列の最後に移動 | C-e |
カーソルの文字を削除 | C-d, Delete キー |
カーソルの一つ前の文字を削除 | C-h, BackSpace キー |
カーソルより後ろに続く文字列を全て削除 | C-k |
画面を再描画 | C-l |
ヒストリとは、コマンドの履歴です。history という内部コマンドを実行すると、 最近実行したコマンドが以下のように表示されます。 (内部コマンドとは、シェルの中に組み込まれたコマンドのことで、 ls コマンドの様に一つの独立したコマンドではありません。)
% history 1 15:34 man tcsh 2 15:35 history 3 15:36 cd 4 15:36 pwd 5 15:36 ls 6 15:36 cd public_html 7 15:37 ls 8 15:37 cd 9 16:00 history
tcsh では、これらのヒストリをたどることにより、 以前と同じ文字列を入力するときの手間を省くことができます。 当然、現在表示されている文字列を編集することも可能です。
ヒストリの一つ前に戻る | C-p, ↑(上カーソル) |
ヒストリの一つ先に進む | C-n, ↓(下カーソル) |
% cc keyboard.c -o keyboard % ls -l -rw-r--r-- 1 hsv98068 others 248 Apr 17 14:35 keyboard.c -rwxr-xr-x 1 hsv98068 others 2977 Apr 17 14:35 keyboard % cc keyboard.c -o keyboard <-- 前々回の入力 --- C-p を 2 回入力 --- % ls -l <-- 前回の入力 --- C-n を 1 回入力 ---
tcsh ではファイル名の一部を入力するだけで、途中までの入力にあうファイルの一覧を表示したり、残りの入力を補完してくれる機能があります。 例えば program といったディレクトリ名を入力しようとして、うっかり入力するディレクトリ名を忘れた場合、次の操作で一覧を表示できます。
% set ignoreeof <-- 間違って C-d で logout しないように禁止 % ls Mail Wnn6 program public_html paint.c % cd p <-- p まで打って C-d を押す program/ public_html/ paint.c % cd pr <-- pr まで打てば候補は program に確定する。ここで Tab (or C-i) % cd program
このように補完機能を使って、ファイル名やディレクトリ名を入力すれば、タイプする量を減らして速く入力できるだけでなく、タイプミスをすることが無くなります。積極的に使うようにして下さい。
(注) tcsh で補完候補を表示したときの program/ などに付いている "/" は、 候補がディレクトリであることを表しています。
ファイル名(ディレクトリ名)の補完候補一覧を表示 | C-d |
ファイル名(ディレクトリ名)の補完 | C-i, Tabキー |