GIS Gallery
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DMSP Stable Noctornal Light Distribution in East Asia これは、米国の軍事気象衛星DMSPのOLS センサーによって補足された、夜間地上光の分布画像である。画像は光の安定性(恒常性)に基づいて着色されている。ほぼ恒常的に光が補足される白い領域は、都市部・主要交通路を描き出している。より不安定に光が補足される赤い領域には、日本海のイカ釣り漁船の灯りも含まれている。北朝鮮はイカ釣り漁船より暗く、朝鮮半島はまるで島嶼のようだ。 国立環境研究所を中心とする土地利用・土地被覆研究のプロジェクトLUGECにおいて、DMSP画像と中国センサスを利用し、中国の人口分布面を推定した。その内容については、LUGECの報告書および次のGIS学会Virtual Conferenceの報告ページを参照のこと。 |
Landscape Simulation of the Eastern Hills in Kyoto 国土地理院50mDEM にIKONOSの画像を重ねた京都鴨川周辺東山の3D景観画像。左の画像にマウスをあてると、東山の開発規制が緩和され市街化スプロールが起こった場合の景観シミュレーション画像が現れる。ArcView3.1+3D Analyst+ImageAnalyst + PhotoShop で作成した。 むろん、このような開発が起こる可能性は現実の京都には少なく、丘陵部の開発規制は強い(北部は例外だが)。むしろ容積率の高い市街地で、町家の並びを分断しながら建設されていく高層建築物の方が景観上の大きな問題となっている。そうした視点からの景観シミュレーションは、現在の汎用3DGISでは問題が多く、CAD系のソフトウェアに頼らざるをえない。 |
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Landscape Simulation by Terragen 景観シミュレーターTerragen によって作成した仮想的な山岳景観。光や水の質感がすばらしい。Home の山岳景観画像もTerragenによるものである。和製ソフトのカシミール3Dも秀逸。ArcSceneなどの高価な汎用3DGISよりも、これらのフリーのソフトウェアの方が、はるかに優れた仮想景観を作り出せる。ただし、欠点は、主に自然景観の再現にしか利用できないことである(植生もどことなく寒い国のイメージが中心)。建物の立体構造を詳細に再現する都市景観のシミュレーション研究については、COE研究でのKyoto Virtual Time-Space に関するページを参照されたい。 |
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Demographic Daily Rhythm in Kyoto 1990年のパーソントリップ(PT)調査を利用して、時間帯別人口を1kmメッシュ(基準メッシュ)別に求めた。ただし、PTの調査単位は1kmメッシュより粗いので、ここでは面補間を行ってメッシュデータにしている。また夜間人口(午前3時の人口)に対して、増えていれば赤、減っていれば青に着色されている。当然のことながら、日中、都心部や南部の工場地帯は赤くなり、ベッドタウンである郊外地域は青くなる。 都心部から北西方向にほど近いあたりに、人口を示すバーが一際高い一区画をみることができる。これは西陣地区であり、京都市内でも有数の人口集中地区である。この地区は西陣織と町家で知られる伝統的都市内産業景観を維持していた。最近は産業の空洞化とマンションの乱立による景観問題がよく議論される。人口の大きな日変化から、かつての地場産業の中心地が、都心に程近いベッドタウンと化していることが分かる。都心付近への人口回帰現象が、所得や社会経済的地位の高い世帯の流入によってもたらされる時、これをしばしばジェントリフィケーションと呼ぶ。 なお、このアニメーションをみるにはFlash player plugin が必要。 |
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John Snow's Cholera Map in a GIS environment 1854年にロンドンを襲ったコレラ流行。そこで、疫学的方法論の有効性を打ち立てた記念碑的地図こそ、John Snow のコレラ地図である。医師Snowは、コレラが汚染された水を介して広がることを、地図によって立証した。左の図は、Snowのコレラ地図から、道路(黄色線)、コレラ死亡者の出た家屋(赤丸)、水道ポンプ(水色円)を抜き出したものだ。コレラ患者の分布の中心には一つの水道ポンプの存在が明瞭に浮かび上がる。 このブロードストリートに位置していた水道ポンプの水が、目に見えない病原体に汚染されており、この水道の利用を停止すれば流行を終結させることができる。そのようにSnowは考え、これを実践した。コレラ菌の発見以前のことであり、疾病の病理学的な仕組みが分からなくとも、疾病の集団的現象を観測することで、有効な疾病予防対策がとれることを示した意義は大きい。 なお、左の図では背景として現在のLondon Soho地区周辺の空中写真を重ねている。黄色線が19世紀中頃の街路であることを思い出して欲しい。街区は当時からほとんど変化していないのだ! 画像にマウスをかざすと現れるのは、いわゆるボロノイ分割図と呼ばれるGISの代表的分析図である。最近隣の水道ポンプを利用すると仮定した場合の、水道の利用圏が多角形領域として示されている。ブロードストリートのポンプの利用圏で、一際高い患者数が発生したことが見てとれる。 |
Informative Zoning for Disease Mapping これはよくありがちな死亡率の地図である。図の左側は1990年男性高齢者SMR(標準化死亡比)の分布図(赤いほど死亡率が高い)、右側は全国の死亡率との乖離を検定した結果図である(赤い地区は有意な高い死亡率、緑色の地区は有意に低い死亡率を示す)。東京大都市圏の262の市区町村をベースとしている。 マウスをかざすと現れるのは、より大きな空間単位で描かれた死亡率地図である。各地区は社会経済的に同質であるように、住民の社会属性をもとに市区町村をクラスタリングしてある。一つのスケールでみるよりも、こうした適当な空間的集計によって、別スケールで眺めると死亡率分布についても、より多くのことが分かる。 東京大都市圏では、居住者のライフステージに応じた同心円的な住み分けと、所得・職業に応じたセクター的な住み分けが広く生じており、これと死亡率の分布には明らかな対応関係がみられることがよく分かる。なお、こうした空間単位の最適な空間集計は、AICなどの情報量基準によって定義できる。詳細は、Nakaya(2000)(Environ. Plan.)ないし中谷(1997)(総合都市研究)などを参照されたい。 |
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Animated Cartogram of the HIV epidemic in Japan, 1990-2015 近年STI(性感染症)とともにHIVの感染者数が急増している。この一風変わった地図は1990年以降の都道府県別HIV新規感染者数(推計値)の推移を示したものであり、2015年までの予測も含まれている。各都道府県は、円シンボルで表現されており、白い円の大きさは2000年時点での15-49歳人口に比例する。赤いシンボルの大きさは、各年で新規に感染したと推計されるHIV感染者数に比例する(白い円と赤い円のスケールは異なる)。このような地図表現は円カルトグラムと呼ばれている。 1990年代初頭では、流行は東京でのみ顕在化している。その後次第に周辺地域への近接的な伝播が、さらに大阪や福岡など広域中心都市を経由した全国的な流行拡大(階層的伝播)が進んだ。流行規模は依然として東京が最大であるが、増加率でみると大阪など近畿圏が高く、注意が必要である。 過去の流行推移については、AIDSサーベイランス年報を基礎データとし、報告数のunder-reporting や感染者の報告地−居住地のずれを補正する推計作業を行った。将来予測には、空間的な人口交流を考慮した疫学モデルを用いている。詳細は、Journal of Geographical Systems 掲載(印刷中)の論文を参照されたい。 |
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Space-time Path of a Resident in Kusatsu City 草津市に居住するとある女性の1日の行動を、時間地理学の時空間パスとしてGISを用いて視覚化したものである。すなわち、高さは時間軸に対応しており、時空間パスである赤い線が、この女性が1日になした時空間的軌跡である。時空間パスは、もしある地点に滞在する垂直方向に伸びる直線となり、移動する場合は斜め上へと向かう斜線となる。時間の刻みがわかりやすいように、6時、12時、18時の時間帯を示す円盤を加えてある。この円盤は自宅から半径500mの範囲を示している。 なお、トリップの「パターン」は本物だが、自宅の位置は本物ではないので、念のため。草津市の消費者行動調査研究の一貫で試作したものである。この「絵」はArcView3.2+3D analyst で作成した古いものであり、時空間パスは3次元の属性をもつlineレイヤである。 |