この図は、カウンティ単位で集計したSLIの平均値と人口の散布図であり、人口とSLI値との関係を概観するために示した。ただし、カウンティ人口密度、SLI平均値のそれぞれに1を加え、対数グラフとして描かれている。
SLIはデータの定義によって100%の上限をもち、一定規模以上の都市部では、SLIは上限に飽和してしまう。結果として、一定規模以上の都市部では、SLIによる正確な人口規模推定は難しい(下限しか推定できない)。1万人/km2以上の極めて高密度なカウンティでは、SLIが平均で90%以上の値であり、SLIが飽和していることを示唆している。また、SLI平均値と人口密度とが明確な線型関係を示すのは、人口密度が1000人/km2以上でSLI平均が20以上のカウンティに限定される。当該人口密度以下のカウンティでは、人口密度の下限こそSLI平均と共変動するものの、上限はほとんど変わらない。Konami et al.(1997)は、内陸部よりも沿岸部、都市部においてSLIと人口の相関関係が高いことを確認している。その理由の一端は、人口希薄な領域では、光が観測されないカウンティが多くなり、SLIと人口分布との相関関係を確認しえなくなることに求められよう。
だが、人口密度が1000人/km2以下のカウンティは対象としたカウンティ全体の94%にも達しており、人口分布面の推定においては、これら多くの低密度カウンティについて、人口推計精度を改善する必要がある。