先のモデルを利用して、カウンティ人口を制約条件とし、人口を各30秒メッシュに配分した。これによって30秒メッシュ以上の大きさの適当な空間単位の人口を求めることができる。下の画像は、日本の土地利用研究グループLU/GECで利用されている20kmメッシュで示した人口(密度)分布である。
SLIとSLIポテンシャルを利用した混合モデル(モデル2)を利用し、その30秒メッシュ単位の推計値をウェイトとして、カウンティの人口を30秒メッシュに配分した。配分式は以下の通りである。
ただし、EPik はカウンティkに属する30秒メッシュiの人口推定値、CPk はカウンティkの国勢調査人口、Sk はカウンティkに属する30秒メッシュの集合である。ウェイトによる配分により、Toblerの連続的体積保存補間 smooth pycnophylactic interpolation同様、各カウンティの人口総和は,変換後も維持される。
Deichmann(1996)の都市へのアクセシビリティによる人口面補間と比較すると、本稿の方法は、パラメターのキャリブレーションを行っており、カウンティレベルでの信頼性を確認している点で優れている。
20kmメッシュの面積は、一般にカウンティの平均的面積より小さいが、人口稠密な東部では、カウンティはLUGEC20kmメッシュよりも小さくなることもある。そのため、利用した人口推計モデルは、人口密度の高い地区で多少の過小推定の傾向があったが、LUGEC20kmメッシュへの変換では、あまり問題とならないであろう。