SLI Potential Surface


この画像は光のある領域への近接性を示している。赤く示された場所ほど、近くに安定した光源が数多く存在している。

Elvidge et al.(1997b)の国際比較において、中国は人口に比して光の領域が少なかった。光の分布領域と人口の関係は産業の発展段階に応じて異なっており、とりわけ第3世界では、夜間の光が観測されない領域でも数多くの居住者が存在している。そこで、光が観測されなかった領域の人口分布を推定するために、以下の仮定をおいた。

「人口密度は、光が存在している領域から離れるに従って小さくなるように変動する」

ここでSLI画像値をもとにした灯りへのアクセシビリティを定義した。この指標は、いわゆる人口ポテンシャル概念と類似しており、以下ではSLIポテンシャルと呼ぶことにする。これを、以下のように定義した。
 
Pi = Σj SLIj exp ( -δdij)
 
ただし、Pi は30秒メッシュiのポテンシャル、dij は30秒メッシュij間の距離、δはパラメターである。

距離逓減関数に指数関数を用いているが、これは都市周辺の人口分布が指数関数で記述されるとするClarke(1951)の古典的モデルによっている。ただし、計算処理を単純化するため、各30秒メッシュの半径100km圏内にあるSLI値を基にSLIポテンシャルを求めた(円形Window処理)。距離逓減パラメターであるδの値は、指数関数の半減距離を1km, 5km, 10km, 15km の各ケースについて設定し、それぞれのポテンシャル面を作成した。

上の画像は半減距離5kmのSLIポテンシャル面である。中国の人口分布についてよく知られる東西および南北間の人口密度の差異を、SLIポテンシャルはよく表している。


Deichmann(1996)は、UNEPのアジア人口データを作成するにあたり、Tobler(1979)のスムージング手法に替えて、都市部へのアクセシビリティを用いた人口分布補間を行った。この計算は、交通網(鉄道、道路、河川等)の情報を基に行われているが、その計算処理には膨大な時間と手間が必要である。また、先見的に特定の都市中心や計算に必要なパラメターを仮定する難しさもある。SLIによって同様なアクセシビリティを定義する主なメリットは、このアクセシビリティ計算過程の単純化にある。