2012 年度 インタラクティブ映像制作実習I(1)
[Prev]
[Home]
[Next]
第4回 トゥイーン・アニメーション
担当者: 斎藤進也 (saitos@fc.ritsumei.ac.jp)
★本日のテーマ
本日は、前回学習した「タイムライン」および「シンボル」についての理解をさらに深めるとともに、効率的にアニメーションを制作する上で便利な「モーショントゥイーン」について学ぶ。
★シンボルの
入れ子
の理解
まず、シンボルには、下記の3種類があることをキッチリ理解する。
特に、ムービークリップは重要。
ムービークリップ
独自の
タイムライン
を持つことができる。
ボタン
ボタンを押す時のような凹凸感を出せる。Webインターフェースを作 成する際に便利。
グラフィック
基本的に独自のタイムラインを使用しない1。
ムービークリップ型シンボルは、その内部に
タイムライン
を持つことができることをしっかり理解する。
そして、あるシンボルの中に別のシンボルを入れることができる。これが
シンボルの入れ子
。
上のムービーのflaファイルをみてみる。
→[download]
ステージのタイムラインをみると、1コマ目にキーフレームが設定 されているだけ。
しかし、ムービーでは、母親の手はアイロン を左右に動かしているし、窓の外では子供が手を振っている。
したがって、どこかに複数のキーフレームが設定されているはず。
そこで、ライブラリをみてみる([ウインドウ] →[ライブラリ])。
いくつかのシンボルが登録されていることが分かる。
ステージ上には、「haikei」と「iron_syuhu」という2つのシンボルのインスタンスが 配置されている。
そして、2つのシンボルは、「入れ子」構造を持っている。「haikei」 をダブルクリックしてみると、「haikei」の中に、さらに「mado」 という別のシンボルが入っていることが分かる。
haikei ↓
mado ↓
またさらに、madoをダブルクリックすると、その中に「kodomo」とい うシンボルが入っていることが分かる。
そして、この「kodomo」 には複数のキーフレームが設定されており、これによって手を振る アニメーションが実現されている。
kodomo ↓
kodomoのタイムライン↓
シンボル「iron_syuhu」も、同様の「入れ子」構造をもっている。
Flashの開発では、オブジェクトの「部品」化(シンボル化)の利 点を生かし、このような構造がしばしばとられる。
★問題
car.flaにある自動車の絵(静止画)を、下記の例にならいアニメーションにしなさい。
なお、下記の注意事項を守ること。
car_sam.fla →
[download]
<注意事項>
車を左から右へと走らせるようアニメーションを設定すること。
各パーツをシンボル化し、適宜、使いまわせるようにすること。また、タイ ムラインの編集は、各シンボル内部においておこなうこと。
完成したアニメーションのroot(stage)のタイムラインのキーフレームの数は"1"であること。
rootとは、flaファイルを開いた時に、最初に表示されているステージのことを指す。
「root」 =「トップの階層」。「rootのタイムライン」= 「メインタイムライン」。
車のタイヤを回転させること。
子供の手を振るアニメーションを加えること。余裕があれば、子供の口も動 かすようにする。
車のマフラーから排気ガスがでるようアニメーションを加えること。
制限時間は、15分とする。
<car.flaの絵>
car_sam.flaを開くと下記の絵が描かれている。各キャラ、アイテムともシンボル化はされていない。
アニメーション例
※メインタイムライン(rootのステージのタイムライン)のキーフレームの数は1つ。
※必要に応じ、フレームレート(fps)の値を変更するとよい。ちなみに、上の ムービーのフレームレートは、3.5fps。
★モーショントゥイーン(p.130, pp.148-157)※新版p.135, p.137, p.147
モーショントゥイーンとは、オブジェクトの大きさや色、位置などを変化させる アニメーション自動生成機能。
始点と終点のキーフレームにオブジェクトを配置すれば、中間の動きはFlashが自動生成してくれる。
細かくキーフレームを設定する手間が省けると同時に、オブジェクトの動きをスムーズにできる。
位置の変化
(1)始点となるキーフレームに、絵を配置する。
(2)終点となるフレームにキーフレームを挿入
(任意のフレームにマウスポインタを合わせ、[右クリック]→[キーフレームの挿入])
(3)始点となるキーフレームにマウスポインタを合わせ、[右クリック]→[モー ショントゥイーンの作成]。
↓
始点から終点まで矢印が表示される。
(4)終点となるキーフレームに配置されているオブジェクトを、任意の位置に移動。ドラッ グ&ドロップ。
始点から終点へと移動する過程が自動生成される。始点と終点の間にあるフレー ムに自動設定。
以下のように再生される↓
(6)始点と終点の間に、第3のキーフレームをいれて位置を変えると、軌道が変わる。
↓
以下のように再生される↓
(7)さらに、第4、第5のキーフレームを設定し、複雑な軌道設定をおこなうことも可能。
※上のサンプルファイルダウンロード→
[download]
大きさの変化
同様にモーショントゥイーンの設定で、オブジェクトの大きさを変化させるアニ メーションを作成することも可能。
(1)始点のオブジェクトの大きさ↓
(2)終点のオブジェクトの大きさ↓
(3)下のように再生される↓
色の変化
同様に、色の変化もモーショントゥイーンで設定できる。
★プログラミングに少しずつ慣れよう! その三
MovieClip.stop();
特定のフレームで、ムービーの再生をストッ プさせる
(1)ストップさせるフレームを選択する。ここでは最終フレームである45 コマ目を選択する。ここでストップさせない場合は、1コマ目に戻り再生され る。つまり、ループ再生になる。
(2)[ウインドウ]→アクション]で、[アクション]パネルを表示する。
(3)[アクション]パネルに this.stop();と記述する。
※当該フレームに、ActionScriptが表示されていることを示す「a」の文字が表 示される。
(4)ムービープレビューで、動作を確認する。
★本日の課題
本日は、課題Aと課題Bの2つの課題に取り組みなさい。
課題A、Bともに個人課題である。
課題A:点滅するバナーを制作しなさい。
内容は、各自の座右の銘とする。
絵を入れてもよいが、テキストを基本とし作成すること。
サイズは、468(横) × 60(縦)ピクセルとする。
※バナー (banner) はウェブページ上で他のウェブサイトを紹介する役割をもつ画像(アイコンの一種)のこと。主に広告・宣伝用に作られ、ウェブサイトへのハイパーリンク用にも利用される。画像にはリンクを張り、クリックするとそのバナーが紹介するサイトを表示するようになっている。
課題B: モーショントゥイーンを使って、アニメーションを作成しなさい。なお、画題は 下記のいずれかとする。
宇宙の飛行物体
スケート選手
本日の課題については、ペアで1つではなく、両名とも取り組みなさい。
ただし、ペアで知識やスキルを共有するよう努めてください。
相手が困っていたら、積極的に助けること。
[Prev]
[Home]
[Next]