プラスチック製短下肢装具の疲労試験機の開発および歩行分析の工学的評価に関する研究
本研究では,神経障害などによる麻痺性疾患への治療および,交通事故,災害,高齢化社会に伴うリハビリテーション医療において注目されている装具療法に主眼をおいている.
装具には使用部位,目的,機能によって様々な分類が可能であるが,今回は下肢装具に属する短下肢装具を扱うことにした.一般的に装具は金属製とプラスチック製に分類できるが,近年の軽量性,美観性への高いニーズからプラスチック製が大半を占めており,本研究でもプラスチック製短下肢装具を対象としている.
しかし,プラスチックの性質は,成形加工方法や分子構造さらには温度などの外的因子の影響が大きく,単なるtest pieceでなく,製品そのもので試験することが望ましい.
そこで,装具の機能的分類の確立を目指すために,そこで,本研究室において,独自に装具用疲労試験機を開発し各部にかかる負荷の推移や寸法変化を調べ,装具の改良に取り組んでいる.また,患者に対する安全で信頼性のある歩行パターンを定量評価するためにも歩行分析による短下肢装具の工学的評価も実施しています.