3軸の応力成分を利用した |
◆本研究は射出成形機内の圧力の測定を目的として室温から150 ℃までの温度範囲において150 MPaまで測定可能な高圧測定用の圧力センサの開発を目指したものである。圧力センサは力センサを金属ハウジングに組み込んだ構造とした。力センサは、受圧ヘッド、力伝達ロッド、ピエゾ抵抗素子を形成したシリコンセンサチップと台座により構成した。FEM解析を用い力センサ構造の最適化を行い、ピエゾ抵抗素子に作用する3軸の応力成分を有効に利用することにより高感度化を図った。その結果、製作した力センサは150 N印加時に出力が50 mV以上で、非直線性が±0.3 % F.S.の特性を得ることができた。
◆圧力センサは、金属ダイアフラムの厚みを変えることにより様々な圧力範囲に対応できる構造とした。また、圧力センサハウジングをつり下げ構造にすることにより圧力センサの締結時や、測定時に金属ケース部に作用する外力が圧力センサハウジングに伝達しにくい構造とした。 FEM解析を用いてハウジング構造強度解析を行った結果に基づき、降伏応力の高いSUS630を圧力センサハウジングおよび金属ケースの材料に使用することにした。製作した圧力センサの出力電圧は、150 MPa印加で5 V の電源電圧に対して50 mV 以上であった。また、感度の温度特性は室温から150 ℃の範囲で0.11 % / ℃以内であった。
◆以上の製作および特性評価結果より、本研究3軸応力成分を利用したシリコンピエゾ抵抗型圧力センサが射出成形プロセスに使用できる見通しを得ることができた。
Fig.1 圧力センサおよび力センサユニット構造図
Fig.2 圧力センサ実物写真
Fig.3 圧力センサ出力特性
Fig.4 圧力センサ出力の温度依存性
Fig.1 圧力センサおよび力センサユニット構造図
Fig.2 圧力センサ実物写真
Fig.3 圧力センサ出力特性
Fig.4 圧力センサ出力の温度依存性